2018年2月8日木曜日

SOSボタンを押すべきか

今日は歌のレッスンの予定だったのだけど、
昼前に先生からメールが来てキャンセルになった。
先生、A型のインフルエンザだそうです。
回復されるまでしばらくレッスンはお休み。
今年のインフルは熱が下がっても油断できないらしいし
ゆっくり休んでください。

インフルエンザは今、爆発的に流行しているのね。

実は私も先週また熱が出て、近所の診療所で検査をしてもらった。
幸いインフルではなかったのだけど
検査に来ていた人は次々に、A型ですね、B型ですねと言われていて
こんなにもぞくぞくと感染しているのか!と驚いた。

***
インフルとは関係なく、今朝電車に乗っていたときの出来事。
通勤時間帯だったので、快速電車の中は身動きが出来ないほど混んでいた。

新大阪を出た直後、近くに立っていた若い女性が突然倒れた。
いきなりのことで、みんな唖然としてしまったけど
隣に立っていた若い女性が、看護師さんか看護学生さんだったのかな
倒れた女性の側に屈んで声を掛けて、介抱し始めた。

こういう場合どうしたらいいの?あ、そうだ非常ボタンを押さないと。
同じことを思った人が何人かいたようで、非常ボタン押して、
ボタン、ボタンという声が同時に上がった。

で、みんなの視線がドア側の「SOS」と書かれたボタンの方に向いたとき
「でも、このまま大阪駅まで行った方がいいんじゃないか?」
「あとちょっとで着くし、ここで電車が止まっても何も出来ないから」
と声を上げた人がいて、それを聞いて、確かにそうだな、と思った。
大阪駅までは2分ほどで到着する。途中で淀川を渡るし
淀川鉄橋の上で停車しても、倒れた人を搬送するのが却って大変になる。

みんな同じことを思ったようで、車内は再びしーんとなった。
すると、私の後ろの方から「急病人です。近くの人、SOSボタンを押してください」
と男性が大きな声を出した。

その声に、おそらく車両の前側のSOSボタンを押した人がいて
「緊急停車します」という声とともに即座に電車が止まった。

あららと思っていたら、どこからか、マイクに向かって状況を話してください
という声が聞こえた。

ボタンを押すように頼んだ男性が、女性が倒れました、と言うと
それを受けてSOSボタンの側の女性が、「急病人です。倒れた人がいます」
と話す声が響いてきた。

「男性ですか?女性ですか?」
「意識はありますか」
「年齢はいくつくらいの方ですか」
「車両のどのあたりですか」
と質問が飛び、そのたび男性が、女性です、意識あります、20代
車両の後ろドアの近くです、と伝えて、それをボタンの側の女性が
マイクに向かって話していく。その会話がスピーカーを通じて車内に流れていました。
そして「救急車を呼ぶ必要がありますか?」という質問に
そわそわざわざわしていた乗客が一斉に絶句。

・・・知らんがな。

そんなこと、素人に判断できないわ。

すかさずその男性が「分かりません。こちらでは判断できません」
それをボタン側の女性が「分かりません」と伝えると
「大阪駅で救護を行います」という言葉が返ってきて
すぐに電車が動き始めた。

介護していた若い女性は、もうすぐ大阪駅に着きますよ、と
倒れていた女性に声を掛けていた。側に立っていた若い男性が
コンビニのビニール袋を渡して、それを倒れた女性の口元に当てていたので
多分、パニック障害の過呼吸だったのかな。過呼吸の人、多いね。
うちの姉も過呼吸で三回救急車で運ばれている。
パニック障害っていつかかるか分からないし、誰でもかかるから。
急に息が出来なくなるって苦しいし、怖いよね。

大阪駅についてドアが開くと、急病人です!と言いながら
駅員さんが乗り込んできた。倒れた人は自分で担架に乗れたようで
大事に至らなくて、ひとまずは良かった良かった。

で、いろいろ考えた。

急病人が出た電車に乗り合わせたことは何度もあるけど
目の前で人が倒れるという状況に遭遇したことはなかったし
大抵の人はこういう経験がないと思う。
緊急事態が発生したらSOSボタンを押すということは
ほとんどの人が知っているはず。
ボタンを押したら電車が止まる、ということも。
でも、今回のようにあと2,3分で次の駅に着くという
微妙な位置にいる場合、押していいものかどうか迷う。
変な場所で止まったら救護がやりにくいんじゃないかと考えてしまう。

なら電車を止めずに車掌さんに連絡を、と思っても
混んだ電車でいったいどうやって知らせるの?
少なくとも私はやり方を知らなかった。
乗客に車掌さんのところまで順番に伝えてもらう、って
そんな伝言ゲームみたいなことをやっていても
途中でぐちゃぐちゃになって状況が余計に酷くなるかもしれない。

SOSボタンを押すと車掌さんと会話が出来るということを
今回のことで初めて知った。私みたいな人は多いんじゃないかしら。
急を要することがあったら、とりあえずボタンを押せばいいのね。
状況を説明して、あとどうするかは車掌さんの判断に任せればいいんだな。
勉強になったわ。

***

実を言うと、過去にこういう乗り物内のアナウンスシステムの
仕様書を翻訳していたことがあったのね。しかも二社で。

あとで、はっ、そういえば私、そういう開発現場で
似たようなシステムの仕様書翻訳していたやん。
そういえばあの仕様書にこういうのあったなあ、と思い出した。
そして、あれだけやったのに全然覚えてないやん、とへこんだ。
知識を全然ストックできていない。

やっぱり、文字で読むだけでは記憶に残らないものなのね。
10年ほど前、別の組み込み系ソフトウェアの仕様翻訳をやっていたときは
そのソフトウェアを組み込むハードウェアをずっと触っていたので
どこのボタンを押せばモニターの画面がどう遷移するかも
いまだに覚えているというのに。
実際に触れてみる、動かしてみるって大事よね。
と、自分の記憶力のなさをごまかしてみる。

とにかく、車掌さんに緊急連絡が必要な時はSOSボタンを押す、と。
これは忘れずに覚えておこう。

4 件のコメント:

  1. Uターンして来たので、記憶による書き込みですが、
    都内では電車を停車させるボタンとインターホンが
    別個に設置されていたと承知するところ。
    鉄道会社でも違うかも知れません。
    安全に対する意識も違うように感じます。

    とある駅に停車したとき、急病人対応で
    駅員も来ましたが、
    救急車が来るのに時間が掛かる場所だったこと、
    病院が少ない場所、、、だったことから
    そのまま一駅先まで乗せて
    そこで降車された、、、という状況を
    目撃しました。
    いろいろ、ですね。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。あまりに遅い返信で申し訳ありません。

      停車ボタンとインターホンが別の場合もあるのですね。
      いつも乗っている電車は同じなので気付きませんでした。
      停車ボタンとインターホンの場所も確認しておかなくては。インターホンが別なら、非常時の連絡は敷居が低くなるかもしれませんね。

      駅で対応できなければもう一駅先まで乗せる、なるほど
      状況によって対応は様々なのですね。

      削除
  2. ハハハマもん2018年10月19日 16:07

    都内では、電車を緊急停車させるボタンと、通話のみで停車させないインターホンがあったと記憶するところです。
    ただ、どちらも「SOS」の表記で、簡単には見分けが付かないデザインなので、説明文を読まないと、どちらか分かりません。
    電車に乗って、吊革につかまったら、目の前の「SOS」がどっちのタイプか確認してました。
    乗っている間は暇ですから。。。

    人倒れでは、駅で駅員が来ても、
    救急車の到着に時間が掛かる場所だったらしく、
    一駅先まで急病人を乗せたまま走ったのを
    目撃しました。

    いろいろですね。
    正解は難しいので、臨機応変に対応できるように
    したいものです。

    返信削除
    返信
    1. コメント有難うございます。返信が遅れすぎるほど遅れて申し訳ありません。

      こういうことは本当に難しいです。知識がないと咄嗟にどうすればいいのか分からないですものね。目の前の「SOS」ボタンを日頃から確認しておく、というのは大事ですね。

      削除

また放置、そしていつのまにか春

 歳月が流れるのは早いなあ。 ぼーっとしている間に一年が終わり、年が明けたと思ったらもう2月も終わり。 父が手術で入院したりとバタバタしていたので2月半ばまで実家でリモートワークした。 いやー、仕事になりませんわ。 18時まで仕事なのに、5時過ぎから母に「ごはん作るの手伝え...