一本遅い普通電車に乗った。
こういうときの常として、乗り換えた快速がまたぎゅうぎゅう。
前回は積み残されたけど、学習したから
今日は上手く隙間に身体を入れて乗ることが出来た。
朝から疲れるわー。
通勤の疲れが半日残るところに年齢を感じる。
午前中は眠くて眠くて、ぼーっとしていた。
気付いたら、すでに提出済の原稿をせっせと訳していたわ。
半日無駄にしちゃったよ。やれやれ。
まあ、午後からもやっぱり眠かったんだけどね。
****
今日は歌のレッスンの日。
喉が乾燥して、喉の奥の粘膜同士が
離れがたいようにぴったりくっついていますが
無理矢理剥がす!べたべたしてんじゃねーっ!
と愛し合う粘膜同士を引きはがしてやったわ。ふふん。
本日から課題曲が「浜千鳥」になります。
なんでこの歌を選んだかというと、またまた歌ってみたかったから
という単純な理由。
数年前、神戸市立美術館に日本美術の展覧会を観に行ったとき
作家の名前は忘れちゃったけど、白い波の上を千鳥が飛んでいる絵があって
一面白、墨で波と千鳥が描かれていて、その空間の描き方がすごく印象に残った。
その絵を見ていた60過ぎぐらいの奥様が、ずっと「浜千鳥」を口ずさんでいらしたのね。
美術館の中で歌うなんてマナー違反だけど、その時は平日の昼間で
フロアにはその奥様と私しかいなくて、がらーんとした静かな空間に
その奥様のかすかな歌声が響いていて、私もその絵を見ながら
この、明るいのになんとも言えない孤独感の漂う絵を見ていたら
歌いたくなる気持ちも分かるなあ、と。
その歌がずーっと耳に残っていて、んで今回選んだわけですわ。
浜千鳥
作詞:鹿島 鳴秋、作曲:弘田 龍太郎 大正8年
青い月夜の浜辺には
親を探して鳴く鳥が
波の国から生まれ出る
濡れた翼の銀の色
夜鳴く鳥の悲しさは
親をたずねて海こえて
月夜の国へ消えてゆく
銀のつばさの浜千鳥
親を探して鳴く鳥が
波の国から生まれ出る
濡れた翼の銀の色
夜鳴く鳥の悲しさは
親をたずねて海こえて
月夜の国へ消えてゆく
銀のつばさの浜千鳥
***
それでは今日の注意を忘れないうちにメモメモ。
ストレッチのあと、ハミングから。
額のあたりで響いていることを意識する。
喉は息を通すだけで使わない。
これは割と上手く行った。練習したもーん。
次、リップロール。これは息がちゃんとはけているかどうかを
確認するもの(だと思う)だけど、高音になるとつながらない。
ボーっとしてないでちゃんと腹筋使って息を押し上げないとだめね。
その次はドレミファソファミレドを「い」と「あ」で練習。
やっぱり、「あ」に高さが足りないと言われた。
喉の奥の方の開き方が足りない。
頬骨のあたりで響きを作ること。
本当は顎も他の部分も使っているのだけど
頬から下はもう無いものと思って意識しない。
(これ、前も言われた)
とにかく意識するのは頬骨のあたりの筋肉。
ここが口の中から常にリフトアップしているように。
顔の表側で無理やり頬の筋肉を上げると硬直するから
内側から上がっているようにすること。
同じことを「い」「あ」「え」でやってみる。
「え」の響きが下がっている。
「い」で開いたら、そのままの高さで「あ」と「え」を歌う。
「え」の時に、鼻の付け根のへっこんでいるところが
びりびりとしているように感じたらOK。
今度は「や」でやってみる。
眉間か額のあたりで声が響くように。
発声練習のあとは、いよいよ課題曲の練習。
まずメロディを「あ」で歌ってみる。
高くもなく低くもなく、私のせっまーい音域でも楽に声がでる。
歌いやすい歌、のはずなのだけど
サビの部分がドラマチックにぱーんと上がらない
なんとなく中途半端な高さで、音も大きく撥ねないし
ちょっと予想外に平坦な感じで、なんとも心もとない。
歌いながら、こんなメロディでいいんだろうかと不安で
楽譜から目が離せなかった。
歌いやすい歌だけど、歌詞を付けて歌ってみると
細かいところをちゃんと歌うのがやっぱり難しい。
「あおいつきよの」の伸ばす「き」
伸ばすところで息の速度が遅くなる。
息は同じ速さで吐き続けること。
ここで息が止まると、音が上がる次の「よ」の前で
一旦ためが出来て、いきなり「よ」に当てにいくようになってしまう。
息は早いまま、緩やかな線を描くように
高いところを意識せずになめらかに歌うこと。
横に緩やかな線を描くように手を付けて歌うと声が出やすい。
「はまべには」の「べ」。響きが下がる。
これが何度やっても下がってしまうの。
さらに、べたっとした雑な響きになっている。
「はま」と同じ高い位置で歌うようにと言われて
その場では出来るのだけど、通して歌うとやっぱり下がる。
「べ」のところで唇と唇が合わさるのが大っ好きっ!
え?先生、いきなり何をおっしゃるのですか?!
「合わさるのが大好き!大好きと思うと丁寧に歌えます」
ほーほー、そういうことか。
粘膜の愛ね。喉の粘膜は引きはがしても
こっちは引きはがしたら駄目なのね。
「合わせた唇が開く瞬間を思い切り堪能して下さい!」
た、堪能ですか。開く瞬間を堪能・・・。
「開く瞬間も大っ好き!と思って堪能してください、はい、言ってみますよ」
「は、はい。はま(あー開く瞬間がたまりません! )べ には」
「そうそう、そんな感じ、次はメロディを付けますよ」
(堪能ですね、大好きなんですね)「はーま べ~には~」
「そうそう、ずっと良くなりました!では続けて歌ってみましょう」
先生、堪能しすぎて次の音が歌えません!
あー、笑いをこらえるのでお腹が痛い。
次、「親をなくして泣く鳥が」
うん、悪くないですよ。「なくして」じゃなくて「探して」ですけど。
大筋としては間違っていませんよー。
・・・いや、間違ってるから。
「さがして」の「し」がしゅーしゅー言っているように聞こえる。
「サ」行が苦手で自分では遅れているようにも感じる。
ここはshが先にでて後から「I」がくっついて出てくるから
歌っていると遅れているように感じるけど
聞えている分には違和感がないのでそのままでよい。
「なみのくにから」の「ら」。
ここは結構難しい。声が前にかぶっている。
ここが前に倒れると、次の「うまれでる」の「う」も
かぶったままになってしまう。
ここは喉の奥の粘膜を後ろに倒すイメージで上向きに出す。
今日は粘膜大忙しね。
次の「うまれでる」の「う」は
太いパイプが鼻のあたりを貫通しているようなイメージで
同じ太さで歌うこと。
パイプの入り口の「う」は広く開ける。
その同じ太さで最後の「る」まで歌う。
「うまれ」の「れ」はおでこのあたりで響くように高い位置で。
最後の「る」は耳の後ろあたりで響かせて
そこからくいっと上に上がるように。
細くしない。開いたままで歌うこと。
ここを開いたままにすると、次の「ぬ」をそのままで歌ってしまって
顔が引きつる。でも、開いたまま歌い続けてOK。
この「波の国から生まれ出る」の部分は
波に揺られているように歌う。
本当は、歌っているときに身体がゆらゆら揺れるのは良くないのだけど
揺らさないで声だけで揺れているように歌うのが難しいので
今の段階では、身体も揺らして構わない。
「ぬれたつばさの」の「ば」も「べ」と同じ。
唇が合っている瞬間、離れる瞬間を堪能するように丁寧に。
べたっとならないように歌うこと。
あー、やっぱりここに来ると笑ってしまって
次が歌えない。
笑ったまま歌い続けたから、声が震えた。
ビブラートではありません(汗)
「が」「ぎ」の濁音は、頭に小さい「ン」を付けて鼻から抜く。
***
ちっ、この歌簡単かと思ったら結構難しいやん。
とくに笑いをこらえて歌うのが難しい。
今日はずっと笑いっぱなしだったわ。
次回までには唇の出会いと別れ、堪能できるようにしておこう。
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