2021年6月27日日曜日

「るろうに剣心 The Beginning」

 「るろうに剣心」の最終作、The Beginning を観てきました。


ついに完結ということで一作目からリバイバル上映をやっていたので、順番に観に行ってこれが最後。最後の作品なので実は二回見ました。

前の4作品とはまったく違う雰囲気の作品になっているので、感想を書いてみる。殺陣のシーンがすごいことはもう今更ですから、主に剣心の人物像についてです。ネタバレありありにあり、敬称略、制作者の意図は関係なくあくまで私個人が勝手に思ったことですよ。

この作品はOVAがとても有名で、映画も原作よりもどちらかというとそちらに寄せてますね。OVAは二人の男性の間で苦悩する巴の心情を丁寧に描いていて、一生同じつがいでいるという白鷺が巴の心の揺れを表していたり、椿の花が効果的に使われていたりとかなり細かく造り込んであって、愛し合ってはいけない二人が愛し合ってしまう悲恋物語で、何度観ても泣けます。

一方この映画の方は、完全に剣心の物語ですね。二回観て、二回とも「これは剣心という少年の物語だ」と思いました。理想を胸に山奥から出てきた、腕は立つけど世間知らずの少年が、周りの大人に上手いこと丸め込まれて汚れ役をやらされ、一生重い十字架を背負わされるという、身も蓋もない、えげつないお話。その大人は、この純真な少年の人生を狂わせると分かっていながら利用するんですからほんにえげつない。最初から最後まで可哀想なくらい便利に使われまくるなかで、悩み、迷い、苦しむ孤独な少年の物語です。殺陣のシーンがまた凄くて、ものすごい速さでばさばさと斬っていくところは、残酷だけど美しさすら感じますが、短い。アクションを期待していた人にとっては物足りないかもしれないけど、この物語のキモは実は殺陣シーンではなく、剣心が変わっていく姿なんですよね。

一回目を見たとき、剣心の表情が前作までとはあまりに違うので、あれ?佐藤健ってこんな顔だったっけ?と思いました。一作目から10年近く立っているからアップになるとやっぱり顔は老けていて、頬の緩みなんかはっきり映るから30前だと分かる。でもなぜか、20代前半でまだ少年の面影を残していた一作目より、今回の剣心の方がどことなく幼い。それは、表情がぼやっとしているから。殺陣シーン以外はあの目力がないんですよ。

奇兵隊に入ったシーンでも、周りの大人たちに囲まれて酒を勧められて、戸惑うような引きつったような笑顔を浮かべるとこなんか、その表情を見ただけで、「あ、これあかんやつや。この子上手いこと騙されて、仲間のため、世の中のためとか思わされて鉄砲玉に使われるわ」と分かるのよ。純真で、世慣れていなくて、仲間として受け入れられて嬉しいけど、どう振る舞ったらいいのか分からない、という子供の表情そのものなの。

剣を振るっているときは怖いくらい冷酷な表情なのに、それ以外の時の剣心は伏し目がちで、瞼が重くて、どことなく曖昧な表情をしている。暗殺者だから人の記憶に残らないようにしているというのもあるんだろうけど、これは、まだ人生決めていない子供の顔ですわ。自分はこう生きると決めている大人の男の顔じゃないんですよ。表情から強い意志が伝わってこない。まだどう生きるべきかを決めかねている、迷いがある、だから幼く感じるんですね。

すごく印象に残っているシーンは、池田屋に駆けつける途中で沖田総司や新撰組と遭遇するところ。剣心、涙を流しているんですよね。長州藩士が止めに入って、斉藤に兆発されて向かおうとするとき、頬をつーっと涙が伝うんですが、この時の表情は、頭の混乱した子供のそれ。10年後の剣心だったら絶対にこんな顔はしなかったと思う。新しい世の中を作るために必要だと思って暗殺を続けてきたけど本当にそれが正しいのかと迷いが出てきて、そこを巴にグイグイ突っ込まれて、思い悩んでいる時に池田屋に行かなくちゃいけないし、邪魔は入るし、頭がぐちゃぐちゃに混乱してテンパっている子供の顔ですわ。この表情は本当に凄い。ここの見所は沖田との対決なんだけど、その後のほんの短いこのシーンの方に衝撃を受けたわ。ここは何度でも観たい。漫画のキャラである剣心を生身の人間としてものすごくリアルに感じた場面でした。そのぼやっとした表情の剣心が、巴に「ともに暮らそう」と言った時は、意志のある男の顔をしているんですよね。で、巴がそれを受け入れてくれたら、ふっと安心したような元の伏し目がちの少年の顔に戻る。この表情の変化、まさに生きて悩んでいる人間ですわ。

次に印象に残ったのは食事のシーン。静かに淡々と食べ物を体内に入れているだけという食べ方だったのが、田舎の家で巴と食事をしているときは、無言なのに頬や口元からもう美味しいのが分かる。飲み込んでふーっと鼻から息をはくところなんか、巴でなくても「よかったねー」と言いたくなるほど。大根を抜いて嬉しそうにしているところなんて、完全に無邪気な子供。もう可愛くていとおしくて、巴が目的を忘れそうになるのもむべなるかな。

佐藤健、上手い俳優だとは思っていたけど、こんなに繊細な演技をする人だったとは。これ、漫画のキャラとは違うまったく新しい剣心よね。原作とは違うので嫌だと思う方もいらっしゃるかもしれないけど、私はこの剣心、すごく好きですわ。理想を抱いて、正しいと信じて汚れ仕事を引き受けて、その方法に疑問をもって、どうすればいいか一生懸命考えて、好きな人が出来て、その人との暮らしに幸せを感じて、そうやって人生を模索していくひとりの少年の姿が、凄く生々しい。生々しいからよけい痛々しくもあったわ。

闇の武との闘いのシーンや、巴を斬ってしまうシーンは、白と血の色の赤のコントラストが美しかったのだけど、その後のシーンで全部持って行かれた。

亡くなった巴と一緒に剣心は今まで通りの生活をするんですよね。部屋の奥の布団に巴の亡骸を横たえたまま、剣心が一人で台所に立って料理をし、ひとりで食事をし、巴と一緒に外を見た縁側に一人で座って、穏やかな表情で雪景色を見つめるところ。巴を斬ってしまう場面よりも、この場面の方が「えげつないなあ」と思った。剣心がこれから心穏やかで静かな生活を送ることはもうないんだよね。二度と戻らない日々に別れを告げるようなこの無言のシーンは、私にとっては「るろ剣」シリーズのなかでもっとも残酷なシーンだわ。

OVAは何度観ても泣ける私ですが、「The Beginning」は二回とも泣けませんでした。この映画の剣心という人物像があまりにも生々しくリアルだから、よけいに泣けない。ただ「この子はまだ10代なのに重すぎるほどの重荷を背負わされて、これからの長い人生を生きていかなければならないんだなあ」と、なんとも言えないやるせない気持ちになった。人は生まれてきた以上、寿命が尽きるまで生きなければいけない。重荷を背負って、でも生きろ、と。ああ、私も歳を取ったなあ。

*****

巴についてですけど、なんかイメージが違うのね。イメージと言えば剣心も原作とはイメージが違うんだけど、巴がミステリアスというより健康的すぎるかなあ。

有村架純という女優さん、大好きなんですわ。「何者」のほんわかしていて、それでいて芯の強い女子大生は、男子大学生ならみんな好きになるだろうなあと思うくらい可愛かったし、「3月のライオン」の意地悪で荒んだ姉の役も良かった。でも、この巴役は、うーん。

すごく綺麗なんですよ。目がぱっちりしていて鼻筋が通っていて、鼻から顎のラインなんて本当に美しい。でも、着物だからふっくらして見えるし頬もパンパン。剣心の顔が小さい分、余計にぱんぱんに見えて、正面で顔が並ぶシーンになると、ああ、パンパンやなあ、と。女郎に落ちて流れてきたんだろうと言われていたけど、絶対そんな風には見えません。無愛想だけどしっかり者の若い娘さんそのもので、美しく健康的で、まるで姉のように世話焼きの娘さんだからこそ、剣心も疑いを持たなかったのかも知れないけど、それにしても陰りが無さ過ぎてコスプレ感強かった。剣心の着物は汚れたりよれたりしているのに、巴の着物はやけにきれいで釣り合わないんだよね。生活感がないの。あの髪型も良くないわ。巴には思い入れのある人が多いから原作通りにしたのかもしれないけど、もっさりしすぎや。ただ、健康的で面倒見が良いから、田舎で二人で暮らしているシーンなんかめちゃはまるんですよね。佐藤健よりも年齢は下なのに、剣心よりも年上に見えた。

で、いろいろ考えていたんだけど、巴も剣心と同じなんだよね。薫の場合、薫と剣心は光と影、日向と日陰の関係で、薫は剣心が若いころこうありたいと思ったような理想を貫いている眩しい存在で、だからこそ守りたいと思ったのだろうけど、巴と剣心は同じ。どちらも大人の思惑に巻き込まれて人生狂わされた子供なんだなあ。巴も利用された普通の小娘だったら、陰りがある大人の女よりもあれくらい健康的で普通の娘さんっぽい方が合っているのかなと思う。最初は復讐を考えていたのに、実際の剣心と接している間にそっちに惹かれてしまうというところも、普通の若い娘らしいといえばらしいし、剣心の弱点を探れと言われていたのが、そうではなく剣心を惹きつけること自体が目的だったと言われて、驚くシーンなんか、普通分かるやろ、あそこまで世話焼きしたら若い男は惚れるよ、弱点も何も、人斬りがすっかり無邪気な農家の子供になってるやん、と思った。でもそういうのにコロっと騙されるところも普通の娘さんなんだよね。臈長けた女だったら最初からそっちが目的だと気付く、てか自分でそれを目的にする。

田舎で二人仲良く暮らしているところまでは良かったのだけど、その後から亡くなるまでがもうダメだった。闇の武に騙されていたと知った時の驚き方は大袈裟すぎて、え?いきなりキャラ変わってる?と思うくらい不自然だった。一番気になったのは、あのアイメイクよ。つけまつ毛もアイラインも顔に陰影を出すためなんだろうけど、巴が亡くなるシーンでもはっきり見えるのは興ざめだったわ。るろ剣世界にアイラインやつけまつ毛が存在していても別にいいよ。死ぬ覚悟の女性が身ぎれいにするのも分かるよ。でも、ちょっと前まで涙で顔がぐちゃぐちゃやったやん。なんでアイメイク崩れてないの?普通、化粧崩れするよ。どんだけアルティメットスーパーウォーター&オイルプルーフやねん。そのまつ毛とアイライン、どこで売ってるのよ。目じりを上げ気味に描いたアイラインに合わせてまつ毛を付けているから、目を閉じかけているときに、まつ毛だけ海苔みたいに浮いていて思い切り不自然。感動的な場面のはずなのに、あー、つけまつ毛やなあ、といきなり現実に引き戻されたわ。

剣心の人物像はすごくリアリティがあったし、家の中の様子や小物に季節ごとの光や影まで凝っているのに、あのまつ毛で全部台無し。大きなスクリーンでアップになった顏が観客からどう見えるか、そこ手を抜かないで欲しかった。目鼻立ちがはっきりした女優さんなんだから、アイメイクはなくても良かったんじゃないの?

ちなみに小道具といえば、剣心が巴を探していくシーンで着ていた白っぽい着物の袖に振りがあるんですね。巴の死後、桂が訪ねてきた時の剣心も、襷がけをして振りを後ろに回している。一方、京都で人斬りをやっていた剣心は筒袖の着物を着ている。これ、絶対意図的に変えていると思う。ほかに、あれ?と思ったのは、剣心が二本差しじゃないんですわ。清里を斬る回想シーンの剣心は脇差を挿しているけど、今回の剣心は大刀しか持っていない。これもやっぱり意図があるんじゃないかな。ちょっと調べてみたら、二本差しというのは主君を持っている武士のお作法みたいなものだそうで、ということは、剣心は長州藩とは関係ない浪人の扱いだったということなのか。そうだとしたら、いざとなったら使い捨てる気満々。剣心はそういう立場だったということなのか。

ほかにもいろいろ細かいところまで丁寧に作りこまれているし、他の役者さんたちも良かったのに、あのつけまつ毛だけが返す返すも残念過ぎる。

2021年6月9日水曜日

緊急事態宣言継続中、だが働く。

 あっつー!!!

今日の気温は30度オーバーですよ。もう真夏ですよ。

これは夏の花なのに5月末で満開やー。

つばめの巣もみっしり雛がつまってます。

緊急事態宣言は継続しておりますが、私は4月末から働いておりましたわ。

もちろん、コロナ関連。てかそれ以外に仕事がない。

それならいっそ、コロナ関連の仕事をしよう。

いったい世の中で何が起こっているのか、

自分を苦しめているものの正体は一体何なのか、

しっかり見よう、と思ったのですわ。リスク高いけど。

まあ、分かりませんわ。でも各所各人が必死なのは垣間見た。

 

あんまり詳しくは言えないけど、まあ、どこも大変ですわ。

飲食店は要請を守って営業されているところが多いのですが

一番面倒なのは、お客さんに「会話をするときはマスクをしてくれ」

と頼むことらしいんです。言いにくいとおっしゃってましたわ。 

お酒飲んでいいんです、ご飯食べにいっていいんです。

とにかく、マスクなしでしゃべるな、と。大声だすな、と。

黙食ですよ。飲食店に協力したいならそれも協力して差し上げて。 


 5月からは別のコロナ関連の仕事をしましたが、そこでも分かったこと。

やっぱりマスクなしの会話が一番感染するみたい。

職場では二重にマスクして、消毒、換気を徹底していて

夜は飲みにも一切行っていない。でも感染しちゃった。

行動を振り返ってみると、お昼休みに休憩室で同僚と世間話しながらお弁当を食べた。

知り合いとカフェで一時間ほどおしゃべりした、というような

ずっと習慣になっているようなことでつい油断したり、

相手は友達で元気そうだからまさか、と思っていたり、

こういうことから感染するんですね。

もちろん、十分気を付けていたのに感染してしまったという方もいらっしゃるので

もはや運かも。

 

で、家族内に感染者がでたら、他の家族にも感染させます。

たとえ陽性でなくても、家族は濃厚接触者になるので

陽性者との最終接触日から二週間は自宅待機ですわよ。

大変なのが、ご高齢の方と小さいお子さん。

高齢者でデイケア通ってた、ヘルパーさんに来てもらっていた

という人が感染したら、デイケア行けないし、ヘルパーさんにも来てもらえないですよ。

誰が面倒みるの?そうです。家族が仕事を休んで看病するんです。

その家族も濃厚接触者だから二週間外にでられませんよ。

保育園で乳幼児が感染したら、隔離できないのでお母さんが面倒みます。

陰性でも二週間は保育園に行けないので、当然お母さんは仕事を二週間休む、と。

そのお母さんが妊娠中ということもあるのですわ。

ある程度の年齢以上なら、自宅で部屋に閉じこもっておくことが出来ますが、

ケアの必要な高齢者と乳幼児は、感染するとご本人はもちろんのこと

結構周りが大変なのです。

 

それにしても、発症してもなかなか入院できないとよくご存じで

毎日検温し、血圧をはかり、早朝の散歩以外は外には出ず、

レトルト食品や、服用できる市販薬も早めにしっかり用意している

というご高齢の方もいらして、頭が下がる思いでござる。

 

変異株は、無症状から重症化までが早いことと、症状がばらばらで

絶対こうなると言えないことが面倒なんだそうで、聞いた話では

身体中が痛くてたまらないとおっしゃる方が多いそうです。

 

ピークが過ぎたようですが、また次の波が来るかもしれないし、

次の波が来ると、だいたいにおいて前より感染者は増えるとのこと。

みなさまも油断なさらぬようお気を付けください。

 

そんな私は6月から在宅勤務ですわー。

しばらくこれを続けますが、運動不足でコレステロール値が高い。

時間を見つけて歩かないと。

2021年4月17日土曜日

全然勝利しない我が心

あっという間に桜が終わり、速攻でつづじやさつきが咲いて枯れ 
今年の花の移り変わりは早すぎるよ。 

去年は見に行けなかった長岡天満宮の霧島つつじ、 
例年なら連休に入ってからが見頃なのに、今年はもう満開らしい。 
明日、ささっと見に行こう。 

さて、歌のレッスンは前回から課題曲がイタリア歌曲になりましたわ。
先生が選んでくださったのは、Vittoria, mio core!(勝利だ、私の心よ)です。
古典です。古典好き。
イタリア歌曲集の中音用からなので、メゾの人が歌うキーですね。
やっぱり低音が出にくいですわ。


アウフタクトの曲なのですが、やっぱり最初のGの音を綺麗に出すのが難しい。
最初のフレーズはフォルテなのだけど、強くすると押してしまう。
先生に、息が上まで上がる途中で歌い始めている、と言われた。
息は上までちゃんと吸って、後からくるんと回して
高い位置で受けるようなイメージで、しっかり準備をして開いてから歌うこと。

次の Non lagrimar piu で低くなるところは下げない。

次のフォルテで始まる高音のフレーズは、最初のBの音がアウフタクトなので
次の音を導く音。力を入れて押さないようにする。
ここもしっかりブレスして高い位置から始める。
この高音部は口の中で声がこもっているから、額の真ん中に細く集める。
内側から細い穴にフックをぴっとかけるようなイメージで。

一番苦労したのがこのあとの、また音が下がるフレーズ。
mio core の mio のDの音が喉にひっかかってバリバリに掠れる。
喉が乾燥していて低音が出にくいこともあるけど
低音は苦手意識があるので、どうしても力が入って身体が前にのめる。
ポジションを下げない。軽く薄いところで歌うこと。
coreのreのエ母音はoを伸ばしている時から舌先を下の歯の後ろに付けておく。

さあ、問題は次の転がすところですよ。

ピアノで、またアウフタクトのe。このeは最小限の息で軽く。
長く伸ばし過ぎないこと。
ナチュラルの記号が就いているFの音がどうも上手く取れない。
フラットつけて歌ってしまう。ここは自分のイメージより少し下。
転がすところ、レガートなんだけど、上のFが出し難くて踏ん張ってしまう。
音自体はそれほど高くないのに、前の小節から滑らかに続けないと
と思うと、力が入ってヒィという感じになってしまう。
ここの高音が上手く出せないときは、先生が使われるテクニックとして
ホ、ホ、ホ、という感じで軽くポンポンと当てていくやり方もあるそうな。
それか、一本のまっすぐな線でながれていてその上を音が軽く上下している
と言う感じの出し方か、自分の歌いやすい方でいいとのこと。
フレーズ最初のブレスからこの転がすところは d'Amoreまでひと息で歌う。
ブレスはその次の la vil servitu の前で。
このブレスまでもうが苦しくて、ブレス直前で結構力が入る。
で、ブレスした勢いで最後まで歌ってしまう。
先生によると、それでピアノからフォルテまで自然に盛り上がりができる。
la vil servituの前のブレスは、ゆっくりしっかり、多少遅れてもいい。
ここは歌いあげる箇所だから、ブレスをしっかりすることで遅くなってもよいとのこと。

メロディとテンポが変わりますよー。

ここは歌詞の発音がめんどくさくて、口の中でもごもご言ってしまう。
特に、stuolo disguardi が上手く発音できない。
イタリア語の歌は、母音が音に当たっていないといけないから
その前の子音は前倒しで早めに発音すること。
それから子音が二つ重なっているところ、最初の Vittoria の tt もそうだけど
affanni の ff もちゃんと二つ重なっているように発声すること。


loco の co と del cruto のdel が同じ小節に入っているところ
delのGの入りが遅れる。二拍伸ばしてすぐブレス、
そのあと一息で歌う。

とりあえずこの日はここまで。
あとのメロディは繰返しで歌詞が違うだけだから
残りの歌詞を覚えなきゃ。

喉の調子が悪いから掠れるけど、響きは高いところに集まっているので
出し方は悪くない。ただ、前は開いているけど後ろが開いていないと言われた。
後ろが開いていないと、声に奥行が出ないのね。
「鼻セレブ」すっかり忘れていたわ。
背中も結構使うから、後ろが硬いとだめね。
ちゃんとストレッチしなくちゃ。

先生に、声が古典に合っていると言われた。
ふふふふふ、古典好きだから嬉しいな。
全然歌えていなくて、我が心は敗北中だけど。

2021年3月29日月曜日

特に何もない

家の中に閉じこもっていたら、本当に何も変化がない。
商店街に買い物に行く途中で公園を通ったら、桜が八分咲き。
ぼんやりしている間に、季節は容赦なく巡っていくのね。

暖かいせいか、今年の桜は早いなあ。
ついこの前まで蕾だったのに、もうこんなに咲いている。

雨が降ってきた。桜が満開に近づくと必ず雨が降るね。
鳩が雨宿りしていた。

住宅街の中の更地になっているところに白い花が。
なんという花かしら。可憐な姿。
ここが更地になってからもう10年以上経っていて
お庭だったところは、木はそのままで草ぼうぼうなんだけど
住む人がいなくなって、家がなくなっても、花は咲き続けるのね。

2021年3月19日金曜日

桜が咲いた!

スーパーに行く途中に近所の公園を通ると、桜が咲き始めてる!!
わあわあわあ、枝垂れ桜はもうこんな感じ。
夜、散歩していたら、こぶしの花も咲いてるやん!
本当に春が来た。
一年ってあっという間だなあ。
去年は本当に何もせずに過ぎた、ほとんど無駄な一年だった。
何もしていないようで、ちゃんと次に繋がるようなことがあったのか。
分からないわ、それは。結果がすべてね。

でも春だから、小難しいこと考えるのはちょっと置いておくわ。

わーわーわー、春だ!
と、浮かれていればいいのよね、今だけは。

2021年3月18日木曜日

道を探す

家に閉じこもっていると、暑いのか寒いのかよく分からないわ。

最近は昼夜逆転しているせいか、寝なきゃと思っていてもなかなか眠れない。
そしたら友達からLINEが来て、やっぱり眠れないと言ってた。
ふむ、そうだろうなあ。眠れないときはラジオ体操する。

今日は歌のレッスンなので久し振りに大阪に行く。

課題曲Danny Boyは今日でいったん仕上げということになった。
この曲は本当に難しかった。
さらさらーっと続いてしまうので、なんか支えを入れられない。
それに、英語の歌詞が苦手だと気付いた。
前のSound of Musicもさっぱりだったし、口内をどう使っていいのか分からない

今日、注意されたこと。

・音をタンタンと縦に刻まない。滑らかに流れるように。
・高音は後ろに倒さない。スペースは広く、息は細く。
・声を自分の近くで鳴らさない。特に歌いだしの部分は
 自分から離れたところから声が出ているイメージで。
 手を大きく振りかぶって遠くを指さしながら練習してもよい。
・フレーズ最後の低音は、音はさがっても上がるイメージで歌う。
・イ母音、エ母音は平たく潰れがちになるので奥行を出す。
 奥行を出すためには縦に開ける。
 下あごは落とさないが、奥歯と奥歯の間を広く開ける感じで。

この後、前回の課題曲「城ケ島の雨」を歌ってみた。
すっかり忘れていてリズムが取れない(冷や汗
以前は出にくかった出だしの低音が出しやすくなっていた。
他の歌を練習していると、歌えなかったところが歌えるようになることがある。
それはテクニックがついてきたということ、と先生。

城ケ島の雨は、フレーズ毎にまとまっているというか
ひとつのフレーズが終わったらそこでブレスしてまた体勢を整えられる。
一方、Danny Boyはそういうのがないのでブレスのタイミングが難しい。

今日は乾燥しているせいか、喉がパリパリして
粘膜が引っ付いている感じ。

掠れるところに入らないように、息が通る道を必死で探して歌った。
私の場合、掠れるときは身体の後ろを使うとなんとかなる。
声が声帯を通過せず(本当は通過しているのだけど)
背骨から後頭部にあがっておでこに抜ける、というイメージ。

先生に、そのまま歌ったら今までだったらがさっとなっていたところ
上手く避けて歌っていらっしゃいますね。
それができるのは、テクニックが上ってきているということです、と言われた。
ふーむ、そうなのか。でもなんか支えられていないし
すごく貧相な歌になるんだよね。ふー。

体調は日によって違うから、正しい発声をしていても出ないことがある。
そういう場合は、なんとか出る場所を探しながら歌うようにと言われた。
これ、Youtubeの動画で見たドイツ在住のオペラ歌手も同じことをおっしゃってたなあ。

道はいつも開いている訳ではない。
到達点が見えているのだから、そこへの道が塞がっていたら、とにかく通れる場所を探す。

歌のレッスンはなかなか深いな。歌うって、人生だ。

次回の課題曲は、イタリア歌曲から先生に選んでもらうことになった。
もう当分、英語の曲はいいわ。

***

久し振りの大阪だったので、帰りに梅田近辺をうろうろ。

お腹すいたなあ。

ぴちょんくんが泣いている。
このホテル、かっこよくない?
なんか昔の映画に出てくるみたい。
久し振りにお初天神に行ってみた。
おみくじを引いてみた。
境内にあるお稲荷さんと、本殿と二回引いてみたら
お稲荷さんは小吉、本殿は末吉。
種類が違うおみくじだけど、書いてあることは同じだった。

今は慌てて動くな、と。
やる気がでなくても、今はしゃがんで飛び上がる準備をする時期だ、と。

はあ、やっぱりおみくじは当たるわ。
今、やる気はない。でもすごく焦っている。
あせってじたばた動いているんだけど、本当にこれでいいのか?とも思っている。
思っているってことは迷いがあるんだ。
迷っている時に焦って考えなしに飛びつくと、絶対後悔するんだよね。

今はちょっと宙ぶらりんでもいいか。

あ、どちらも「学業には励め」とあったわ。
はい、サボりません。勉強は続けます。
明日から。

久し振りに鯛焼き食べるよ。

鯛が痩せてる。。。
世知辛いねえ。

2021年3月11日木曜日

いろいろとどうでもいい

暖かいですね。もう3月も10日ですわ。春ですわ。
昨日なんて昼間の気温が16度もあって、こたつに入っていたら暑かったわ。

例によって、食べる→仕事する→寝る、の繰返しなのですが
ここ数日、ずっとこたつでうたた寝する日が続いて身体がガチガチ。
歌の練習をしていても、声が出ない、というか身体が膨らまない。

夕べから徹夜で仕事していて先ほど納品した。
別に忙しかったわけではなくて、集中できずにぐずぐずしていたら
いつの間にか納期が迫っていただけ。
さっき朝ごはんを食べたから、今から寝る。
もう数日間は寝続けたい。何もしたくない。もう何もかもどうでもいい。
とことん無気力ですわ。

座りっぱなしだと身体が固まるので、朝や昼間にちょっとだけ散歩している。
マンション前の八重椿も満開ですわ。

この花、正面からみたら造りもんみたいにほぼ完璧な形をしていますけど
完璧なものを見たら欠点を探したくなるのが人の常でございますわね。

後ろからみたらこんなんですよ。

お花を裏から見るなんて、ひと様の着物の裾をまくり上げるような不作法さ。
でも、見えちゃったんだもん、仕方ない。

こうしてみると、造花みたい。裏側はぺったんこなのね。
なんかどこかで見覚えがあるなと考えた。そして思い出した。
小学校の時に学校で何かあったら作っていた、ティッシュの花に似ているんだ。
ティッシュを山と谷に細く折って、真ん中をゴムで留めて開いてお花にする、あれ。
そういえば、色もこんな感じのティッシュ・・・というか「花紙」でしたわ。
ああ、歳がばれる。若い人は「花紙」なんて知らないわね。
ポケットティッシュがまだ高価だったころ、ティッシュ替わりに「花紙」という
二つ折りのもうちょっと厚手のティッシュっぽい紙を持ち歩いていたのよ。
「ハンカチと花紙を忘れないように」とおばあちゃんに言われたことないですか。
あの花紙、子供向けのはアニメとかのイラストが入ってましたわ。
今でも花紙で検索したら出てきますけど、今のは本当にお花作り用なのね。
京花紙というのが、昔の花紙に近いですね。

一杯咲いていたので、写真に撮ってみた。

ふーん、やっぱり造りもんっぽいなあ。

あちこちで木蓮が咲いている。

すごく好きな花だけど、コートもいらないほどの暖かい日に咲く木蓮はいとすさまじ。
木蓮の蕾が膨らんでくるのを見ながら、春の訪れを感じるのがいいんだよね。
姿もどことなく品が良くて、上品な花というのは冷たい空気の中で咲いているのが似合う、
というよりも、冷たい空気の中で咲いている花は凛として気品を感じさせるの。

ふらふら歩いていたら、どこかの家の塀の足元に可愛い花が咲いていた。

これも形が良すぎて造りもんっぽい。
あまりに整い過ぎて隙がないものというのは面白くないね。
人間もそうなのかも。多少欠点があった方が魅力的に感じる。

何言ってるかよく分からないのは眠いからだ。
もう寝る。

また放置、そしていつのまにか春

 歳月が流れるのは早いなあ。 ぼーっとしている間に一年が終わり、年が明けたと思ったらもう2月も終わり。 父が手術で入院したりとバタバタしていたので2月半ばまで実家でリモートワークした。 いやー、仕事になりませんわ。 18時まで仕事なのに、5時過ぎから母に「ごはん作るの手伝え...