かゆみに耐えつつ寝て、起きたら午後になっていた。
おもいっきり洗濯してしもうたわ。
天気が良いので乾くのが速くて助かる。
ようやくコタツ布団も洗った。
顔の腫れも少し引いてきたので
夕方買い物に出かけて、ザウワークラウトを買った。
酢キャベツ好き。これマッシュポテトと混ぜるとおいしい。
夕飯に食べようと思って蓋を開けようとしたけど、堅くて開かない。
濡れ布きんをかけて回してみたり、蓋をこんこん叩いてみたり、
火であぶってみたりしたけど、びくともしない。
男性がいれば、ぱかっと簡単に開けてくれるんだろうけど。
女がひとりで生きるというのは、こういうことだ。
ちょっとしたことも、ものすごく手間がかかる。
でも、人手を借りずになんでもひとりで出来る工夫をしておかなければいけない。
何をやっても開かないから、放置することにした。
瓶の蓋で思い出した。
くらもちふさこ先生の漫画に「いろはにこんぺいとう」という作品がある。
もう随分前の作品だけど、私はこの話が大好き。
くらもち先生の作品はみんな好きだけど、これは特に好きな作品。
同じ社宅で育った幼馴染の高校生のお話。
主人公のチャコは、幼馴染の達(トオル)ちゃんが好き。
でも小学校三年くらいからお互い口もきかなくなって
高校で同じクラスになった達ちゃんは
チャコの親友おリョーちゃんと付き合い始めてしまう。
達ちゃんの友達の高橋君がチャコを好きになったりして
二人の関係はどうなるの?という学園ものなんだけど
そこに瓶の蓋のエピソードが出てくる。
大晦日、同じ社宅の小学生クンちゃんとお留守番をしているチャコの家に
高橋君がやってくる。気まずさに何か食べ物をすすめようと
台所にあった栗きんとんを出そうとするチャコ。
その時、栗きんとんの瓶の蓋が開かないというチャコの言葉を
高橋君は「火であぶってみたら?」と聞き流してしゃべりつづける。
高橋君が帰ったあと、深夜に達ちゃんがやってきて
何か食べるものがないかとチャコに訊ねるのだけど
栗きんとんがあるけど蓋が開かないというチャコの手から
達ちゃんはさっと瓶を取って、その場でぱかっと蓋を開ける。
その時チャコは、私が高橋君より達ちゃんが好きなのはこういうところなんだ
と思うのね。
くらもち先生は、こういう何気ないけど心に残るエピソードを挟むのが
とても上手い作家だけど、このエピソードは何度読んでも
そうなのよ、そうなのよと、ものすごく納得してしまう。
瓶の蓋を開けるなんて、ほんの一瞬のことだし
だれがどうやって開けようが大した違いはないのだけど
人を好きになるって、こういうちょっとしたところだったりするんだよね。
などと思い出しながら、ザウワークラウトの瓶の蓋の隙間に
スプーンを突っ込んで持ち上げてみたら
あらら、簡単に開いちゃった。
まだしばらくは一人でも大丈夫ね。
2018年5月21日月曜日
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