2018年11月5日月曜日

バイトにはまる

あー、脚が痛い、腰が痛い。
起きたら午後になっていた。天気が良いのにもったいないことした。
すぐに洗濯する。夕方までには乾いた。良かった良かった。

腰が痛いのには理由がありますわ。
それは、土曜日に朝からバイトに行ってたからです。
しかも引っ越しの、梱包のバイト。おまかせパックみたいなやつですね。
金曜日の夕方にバイト紹介会社から、近いから行きませんか~楽な仕事ですよ
と言われて、暇だし出かけていったわけですが。
どこが楽やねんっ!死ぬほどしんどかったわっ!

紹介会社からは、開梱だけの仕事と言われていたのに
行ってみたら、きっちり引っ越し梱包の仕事でしたわ。
立ったり座ったり荷物運んだりと、もう疲れたのなんのって。
しかもお客様の持ち物だから気を遣うこと遣うこと。
一緒に作業した担当者のお二人が、簡潔で分かりやすい指示を出してくれたから
なんとかお客さんの前で右往左往せずにすんだけど、
これ、放置されてたらパニくってたわ。
部屋に置かれているものをざっとみて、瞬時に箱の大きさを決めて
手際よく、箱一杯になるまで荷物を詰めないといけない。
頭も身体も同時に使う仕事で、担当の方は「こういうのは慣れだよ」
とおっしゃってたけど、初心者には難易度高すぎたわ。しかも時給安い。
また機会があったら~と言われたけど、もう次はいいわ。

で、なんで毎日9時から6時まで働いているのにバイトをやっているかというと
冬眠から覚めて「今週から働く」となったときに、週末暇だから
なにかバイトでもやって社会復帰に備えようかと思ったのです。
それに、契約のはざまで収入が一時的に下がるから、小銭も欲しいと思って。

でも昼間と同じ仕事はしたくなかった。夜も翻訳をやるのは嫌。
以前はやってたんだけど、昼間ガチガチに神経使って頭使って
帰ってから明け方まで同じことをやってると、脳みそと目が休まらない。
昼間の仕事中にうたた寝したりして、それはやっぱりまずいな、と。
脳みそのまったく違う部分を使う仕事がいいなと思ったわけなのです。
出来れば倉庫でのピッキングとかやりたいな、と考えた。
理由は、貿易の仕事をやっていた時に倉庫の人とのやり取りが多かったので
なんとなくなじみがあった、というだけの単純なものですが。

そこでバイト紹介会社に登録したら、結構近くで工場のや倉庫の仕事とかあるのね。
そして、近頃のバイトは交通費を出すところが少ないと言うことにも気づいた。
なんなの、これ?昔(と言ってもウン十年前の大昔だけど)はバイトには
当り前のように交通費が支給されていたのに。いつの間にこうなった?
びっくりしたけど、とにかく交通費が出るところで、時給が高くなる深夜の
工場のバイトに行くことにした訳ですわ。

工場は駅から近かった。そして新しくて綺麗だった。割と女性のバイトが多かった。
工員さんは無愛想だったけど、コンプライアンスに厳しい大手企業の工場なので
言葉遣いも態度も丁寧に接してくれた。迷っていたら学生さんが教えてくれた。
仕事は、機械に資材をセットするだけの単純なもの。
ここの目盛りまで置いて、と言われて、ひたすらその目盛りまでセットし続ける。
さすがバイトには難しいことはやらせないわ。安心、安心。

で、せっせと資材投入しながら、工員さん、てか機械のオペレーターさんですね。
そのオペレーターさんの作業をぼーっと見ていたのですわ。
オペレーターというのは、機械の側についていて何かあった時にラインを止める
というイメージがあったのだけど、実際はものすごく忙しいのね。
途中で機械を止めて、サンプルを抜き出して記録する。
多分ロットごとにサンプルを取っているんだろうけど
これを何度も繰り返すのね。そして不具合が意外に出るもので
その度モニターを見ながら微調整をする。上手くいかないときは
他のオペレーターさんとも協議したりして、忙しくてじっとしていない。

それを見ていて、びっくりしたというか目から鱗というか。
オペレーターってこんな風に作業しているんだー、へーっ、と。
そしてその瞬間、ああああああああああああっ!と思ったのです。

私はこういう機械の取説やらオペレーター向け安全管理文書やらを
散々訳してきたけど、その機械が工場で稼働しているところを見たことがなかった。
どういう仕組みになっているのかは、技術者から説明を受けたことがあるけど
現場で実際にオペレーターがその機械をどう操作しているかは
一度も見たことが無かったのね。
その事実に自分でものすごい衝撃を受けたわけですわ。

ああ、私は世の中のこと何も知らないんだ、って。

いろんな企業様で働いて、10円20円の細かい金額の交渉もやってきて
騙されたこともあれば、タダみたいな値段で仕事を受けたこともあって
普通の会社勤めで守れている人たちよりは、世間を知っているつもりでいた。
酷い目にもあってきて、自分は世間摺れしたすれっからしババアだと思っていた。
でもでも、実は何も知らなかったんだ!
自分の仕事に関わることすら知らなかったんだ!

そう気付いたとき、本当に、あああああああああっ!と叫びそうになりました。
若いころ、鬱から復活するときに耳元で聴こえたあの鐘の音と同じ音が
聞こえて来たわ。ついでに森永エンゼルみたいなのが頭上をくるくると回っていた。

これは啓示だ。私は世の中を見なくてはいけない!
深夜の工場で、なんかわからんままにそう確信したわけですよ。

しかし世間はババアに厳しかった。
昼間の仕事は残業がないので、週三回ほど夜に三時間ばかり働きたい
と思って、接客や飲食店のバイトに応募したけど、ことごとくお断りされた。
こういう仕事が未経験で許されるのは若いうちだけなのね。

とりあえず、コールセンターの単発の深夜バイトに行ってみた。
これは、無理。声だけでお客さんに対応するって難しい。
一晩中しゃべりっぱなしで喉が疲れてくたくた。
隣の席の人は、昼間も某企業で顧客向けのオペレーターをやっている人だったけど
その人は凄かった。声が美しいうえに説得力があるし、受け答えも完璧。
どこにでもプロはいるもんだ。

そしてこの土曜日が3回目のバイト。
この担当のお二人もプロだったわ。早い、テキパキ、しかも丁寧。一時も休まない。
バイトの私がもたもたしないように、指示は短くピンポイントで出してくれたから
言われたことだけやってればなんとかしのげた。
この指示の出し方、未経験者を迷わせない、余計なことを考えさせない。
本当に上手いと思った。参考になったわ。

お客様の部屋の中を見ただけで、どれくらい時間がかかるか分かるんですか?
と聞くと、ざっとみたら大体予想はつくよ、と。ひえー。
まあ慣れだから、慣れたら出来るようになる、とおっしゃってたけど
慣れる前に挫折。でも、忘れないうちにもう一回くらいやってもいいかな
などと甘いことも考える。体力があるときに限るけど。

疲れるけど、いろんな仕事の現場を垣間見れて、バイト、楽しい。
でもやっぱり工場が好きだなあ。機械が動いているところを見るのが面白い。
なので、来週末も工場に行くのだ!

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