2019年1月31日木曜日

顔半分で歌う歌のレッスン

ようやく喉の腫れが引いていたのに、朝起きたらまた扁桃腺が腫れていた。
しかも声がかすれたままで、口内が開かない。
どうして歌のレッスンの日になると調子が悪くなるのでしょう。
年末からまともに声を出せていない。この声、元に戻るかな。

お昼休みに息少な目で鼻腔に抜く練習を毎日やっていたら、出来た!
鼻腔から眉間に軽く抜けるようになった!
身体のどこかに無駄な力が入っているはず。それを見つけなきゃ、
と試行錯誤した結果、肩が上がっているのと腰に無駄な力が入っているのが判明。
腰が硬い場合もあると聞いたときは、腰が関係あるなんて、そんな馬鹿な!
と思ったけど、まっすぐ腰を伸ばして上半身をすとんと骨盤の上に乗せたら
あら、顔の鼻腔の上あたりの筋肉が柔らかくなった。不思議だわ。
ついでに神経痛の痛みも消えた!

とりあえず、この軽い声を試してみたい歌のレッスンですよ。

****

喉の調子が悪いせいか、声が出にくい。
発声練習では、つい「あ」の母音で口を大きく開けなきゃと思ってしまうので
「ドレミファソファミレド」を「い」と「あ」で歌うと「あ」が倒れる。
「あ」も「い」も上から斜め下に落とす感じで。
最後のドは位置が下がるので、伸ばさずに高い位置でふわっと
上にあがったまま自然に短く終わるように歌ってみる。
声、掠れる。今日は声のボリュームを上げると掠れるところに嵌るので
なるべく小さい声で歌うこと。

今日から課題曲が「初恋」になりました。
この曲、前半のメロディは覚えやすい。でも歌うのは難しい。

まず出だしのドが問題。苦手の低音。ここは強くしない。
途中から歌っているような感じで、小さく軽めに。
「すな」の「な」でいきなり口を大きく開けようとすると
下あごが下がって響きが落ちる。口は大きく開けなくて良い。

次にやっぱり苦手なのが「イ」の母音。口が平たくなるので音が潰れる。
最初のフレーズの終わり「すなに」の「に」と次の「はらばい」の「い」は
口を縦にあけて、「い」と「え」の中間のような音で歌う。
前半最後の「おもい」の「い」も平たくしない。べたっと下げてしまうと
想いが募っている感じがしない。想いが遠くに広がっていくように
口を縦に開けて、自然に柔らかく眉間の間から抜く。

前半一番高い上のファが出てくる「はつこいのいたみを」の
「はつ」から「こ」に音が跳ねるところは、「つ」の音から
高い音で歌っているようなイメージで歌うと声が出しやすい。
「み」はmで最初に口を閉じているから、いた、ん、みを、と
段階的に上げて歌っている。ここは息だけで歌うような感じの方が綺麗に聞えるので、
今日はmを入れずにイだけ息が当たればOK。

口の中が開かないから、前の方で鼻腔から高く抜く。
鼻が詰まっていたら、詰まっている場所が響かせる場所だと分かるので
そこを広げるようにする。上手く出せた!練習の成果が出たわー。
でも、ここで歌うと、声がぺらっとしているというか
顔の前半分だけで歌っているような感じがするなあ。

先生が聞かれている分には、それほどぺらぺらはしていないけど
いつものように、真ん中に大きな空間を開けて響かせるのに比べると
声に奥行がないそうな。
どっちがいいか両方やってみたところ、いつもの空間で歌う歌い方だと
声が出にくいせいか、でこぼこした、強さとトーンの揃っていない歌になる。
この曲はもっと奥行のある声で歌った方がいいのだけど
今日は喉の調子が悪いから、このまま前で歌うことになった。

さあ、問題は後半ですよ。後半が鬼難しくて
自宅での予習では覚えきれなかった。

後半は4分の3拍子に転調するので、リズムの取り方が難しい。
「はつこいの」の最後の「の」と次の「いたみを」の「お」は二拍だけど、
三拍でもよい。一般的には、ゆったりと自由に歌うそうで
なるほど、Youtubeでいろんな人が歌っているのを聞いたけど
うーん、分からん、みんな違うから覚えられない、と思ったのはそのためだったのね。
楽譜通りに歌うのは基本だけど、楽譜どおりに歌うとそっけなくなるので
ピアノ伴奏と掛け合うように、ゆっくりめで、ブレスもゆっくりしっかりする。
でも、どのタイミングで次のフレーズを始めていいのか分からない。

「とおくとおく」の二度目の「とおく」の「くー」がシとレという
ちょっと予想外の音になっていて、ここで突っかかる。
「く」は三拍だけど適当に長めに伸ばし、ディミヌエンド。
上に薄く自然に消えていくように音を切る。
伸ばしながら自然に小さく消えていくようにすればいいのね、と
伸ばしたはいいけど、どこで終わらせたらいいのか分からない。
ずるずる伸ばしていたら、長すぎです、四拍くらいで終わらせてください
と言われてしまった。四拍の間で消えるように終わらせるのが難しい。

そしてつぎの「あーあー」のとこ、出だしの小さいミ♯の音が取れない。
次の下がるところも、16分音符二つなのに、つい他と同じ4つで歌っちゃう。
ふたつ目の「あー」と伸ばすところは、伴奏をよく聴いて
小節後半の伴奏の音が入るまえに声が終わっていること。
そこで一拍休んでしっかりブレスして、「おもいいずる」の
「おもい」のあとで小さくブレス。最後の「ひ」は三拍伸ばして
四拍めの直前で声が消えるように。

全体的にレガートで歌わなきゃいけない歌らしいけど
無理無理無理、拍子を取るだけで必死。後半はメロディを覚えるだけで必死。
メロディを覚えたら覚えたで、感情表現を考えないといけないし
これも難易度高いよ。歌えるようになるのかなあ。

後半はフレーズの終わりと次のフレーズの始まりが
同じ音になっているところが多いけど、雰囲気が変わるので
同じ音なのにフレーズの出だしで迷ってしまう。
やっぱり私、音痴だわ。

伴奏を覚えておかないと、タイミングが取れないし
とにかく声よ。この掠れた声、早く治らないかなあ。

2019年1月29日火曜日

ルクアで新年会

神経痛で脚が痛い。普通に歩く分にはなんともないけど
阪急電車で立っているとなぜか痛くてたまらない。
キョーレオピン、脚の神経痛にも聞くかな?

今日は友達と梅田で新年会ですよ。
お金ないので大阪駅ルクアの地下にあるキッチンマーケットに行った。
ここはまあ、こじゃれた食品売り場+フードコートになっているところですが
食品売り場の「キッチンマーケット」で、売っているものをその場で
食べることが出来るのです。なんか黒門や錦にくるツーリストみたいね。

システムがやや分かりにくいので、まだツーリスト御一行様で溢れていません。
外国人でもここで飲み食いできるのは日本語が出来る人だけなので
結構落ち着いています。ここがオープンして以来よく立ち寄って吞んでます。



キッチンマーケットで買ったものを、お金を払って
中のテーブルで食べることが出来るのです。
肉売り場なら、売っている肉を店の奥で焼いて食べることが出来ます。
ワイン売り場のワインを買ったら、グラスを貸してくれるので
飲みに行くよりずっとお得。おすすめです。
会社帰りにちょっと吞んで、ワンコインパスタとかひとりで食べている
女性も珍しくないです。女性ひとりでも大丈夫。
なにせ、フードコートですからね。9時過ぎると割引にもなります。

昼間は家族連れも多いですが、夜になると勤め帰りの人が増えるので
落着いた雰囲気、って、ないない、大阪だから。
でもお子様はいないし、みんな常識的だし、なにせ安上がりですよ。

空いているテーブルで買ったものをつまむの。
食べ終わったらちゃんとゴミを片付けて、借りたグラスを返却場所に返しましょう。
テーブルの上に置きっぱなしで食い散らかして帰っちゃダメです。
行儀の悪い人と同じ空気吸いたくないですよね。
返却場所やゴミ捨て場はスタッフさんに聞いたら教えてもらえます。
お口と脳みそが付いている大人なら、片づける場所を聞きましょう。
そして、おおきに、ありがとう、ごちそう様でしたとちゃんと御挨拶しましょう。
私も貴方も王侯貴族でもなければ、宇宙の支配者でもありません。
ぼさーっとしていても誰も何もしてくれません。自分から働きかけましょう。
上げ膳据え膳は駄目です。ずるずる長居も駄目。
混んで来たら気持ち良く相席したり譲り合いましょう。
それが文化、洗練というものです。
お口がついているなら、ちゃんと言葉を交わして気持ち良く立ち去りましょう。

今のとこ、ここで飲み食いしている大人は比較的マナーがいいですが
インバウンドで外国人が増えているし、しつけの悪いおこちゃまが集まりはじめると
どうなるか分かりません。だから今のうち。大阪に来られたら、ぜひ。

食品売り場で買ったおつまみを食べたあと、ちょっと足りなかったので
チーズ売り場でゴルゴンゾーラ買いました。
ワインはボトルで1800円くらいだったかしら。
レジでグラスを貸してもらえます。もちろんワイン売り場で立呑みもオケー。

これはチーズ売り場の側のテーブル。ここで買ってきたものを自由に食べます。
チーズ売り場の店員さん、とても明るくて感じのいい人が多いです。
こっちが酔っぱらってても丁寧に対応してくれます。
チーズはすぐ食べると言えば、切って、はちみつ付けてくれたりもしますけど
私はブルーにはちみつ付けるのが嫌いなのでパックのまま。

大阪駅ルクア地下二階、以前は伊勢丹の地下食品売り場だったところです。
こんなごちゃごちゃしたフードコートみたいなとこ、嫌!という方は
同じフロアにレストラン街やバルもあります。

でもやっぱりぐちゃぐちゃしたとこで呑まんとね。
いままでは駅前第一ビルの地下に行ってた(ここもおすすめ)けど
こっちの方が安いしー。第一ビルの行きつけの飲み屋の店長が
売上減った―と行ってたから、チョイ吞みならこっちですね。

いったい何を力説しているんだろうか、私は。
吞みに行くのが久し振りでハイテンションな、下戸のおばさん。
やっぱり大阪で働きたい。

2019年1月23日水曜日

鼻水が止まらない

たまたまここを覗いてくださった方がいらしたら、すみません、汚い話です。
鼻水が止まらないの。

喉の腫れはだいぶ収まったけど、咳がでるようになった。
喉風邪ひくと大体咳が止まらないのだけど、今回はいつもよりまし。
でも鼻水がすごくて、寝ていると鼻が詰まって息苦しい。
で、夜中に起きて鼻をかんで寝て、また息苦しくて起きて鼻をかんで
の繰返しで寝てられない。

仕方ないので今朝病院に行った。
喉の腫れは大したことなくて、熱もないからインフルじゃないし
とりあえず口内を薬でなでなでしてもらった(小学生の頃以来ですわ)
抗生物質を出しときますので様子を見てくださいと言われて
出してもらった薬がこれですよ。

なんでこんなに多いの?
抗生物質と胃薬と鎮痛剤と鼻水止めと抗アレルギー剤と
えーっと、あとなんだっけ?どれがどれだか覚えられないわ。
もう全方位カバーで何にでも対応できるようになってますわよ。

鎮痛剤はロキソニンで、これは腰痛で整形外科に行くといつも出してもらう。
でもほとんど吞まない。吞むと痛みは取れるのだけど
痛みが取れるとどうしても無理して、腰痛が余計酷くなるのね。
だから痛すぎて眠れないときだけ服用している。
おかげで家に大量に溜まってるわ。
吞まないけどいつも持ち歩いてる。お守りみたいな感じ。
どうしても我慢できないときはこれを吞めばいいんだ、と思うと安心する。

そういう薬って誰にでもあると思うけど、友達はリリカを処方してもらってて
もうリリカがないと生きて行けないんだって。
私も処方してもらったことがあったけど、合わなかったわ。
まだ薬局で勧められたキョーレオピンの方が効いた。
ロキソニンは胃を荒すけど、効く。ほんとに効く。
あんまり吞まないけど、これがないと生きて行けない、ような気がする。

だから鼻水ですよ。
鼻をかんでも、いったいどれだけ出るのかと思うくらい出る。
かんでもかんでも出てくる。鼻水はいったいどこから発生してくるんだろうか。
薬吞んでも効果があまり感じられないんだけど、鼻水、止まるかなあ。

2019年1月22日火曜日

すべては手順

扁桃腺の腫れが引いた。やっぱり湿布薬は効くわ。
でも喉のもっと奥の方、喉仏のあたりが荒れてて声がガサガサです。
鼻水は相変わらず止まらないし、裏声がまったく出せない状態ですわ。
今月は先生がお忙しくて、歌のレッスンは最終週。
それまでにこの喉はもとに戻るんだろうか。

仕事は新しい案件が入ってきて急に忙しくなった。
ファイルの命名規則はとくにないと言われているのだけど
依頼してくる校正さんによって、それぞれ個人のやり方があるようで。
メールで直接ファイルを送ってという方、サーバ内の個人用受け渡しフォルダに
格納してほしいという方、個人用ではなくプロジェクトごとのファイルに入れて、
このファイルとこのファイルを作って、こういう名前を付けて
このファイルのコピーもいれて、これを送るときは圧縮して・・・
ああしてこうしてこういう風に。

決められた手順を覚えて決められた手順通りに処理するのは
会社勤めのイロハのイですわね。すべては手順。
そしてこの手順は企業様によって異なってる。
社歴の長い人は手が覚えていて寝てても間違えずに出来るだろうけど
いきなり来たばかりの社外の人間は、そんなこと急に無理ですから。
御社のやり方が世界のルールじゃないですから。
注意してくださるのはありがたいけど、中にはそれを少しでも間違えたら
人間のクズみたいに罵る方もいらして。
あのー、パワハラで労基に相談実績作っといていいですか??

今の職場はそういうこと全然ないので助かるわー。
でも手順が覚えられないわー。

朝から手順を反復しているうちにお昼になる。
今日のお昼はこれです。

チキンカツカレー、ご飯少な目、370円。
職場近くにある普通の家を改造したようなカレー屋さん。
イートインも出来るけどだいたいテイクアウトする。
すでに常連状態で、お店の人に顔も覚えられてしまったわ。

お昼に大量の炭水化物、おなかにどんと溜まるようなものを食べると
眠くなるので、出来る限り避けることにしていたのだけど
今日はなんか食べたい気分だったのね。これで太るんだわ。
糖分は脳の栄養だしねー、でも栄養が必要なほど脳みそ使ってないしねー。

お腹いっぱいになったから、声は出ないけど公園に歌の練習に行った。
喉が荒れているときは歌っちゃいけない、と分かっていながら歌ってしまう。
だっていろいろ試したいんだもん。
息だけで発声練習していたら、なんとなく高い声が出たので
身体に力を入れずに高音をどこで抜くか考えながらつい歌いまくる。
ピアニシモで歌っているつもりが、お昼休みぎりぎりまで熱唱やー!
あらあら、表も裏も声が全然出なくなった。
身体に力は入ってないけど喉に力が入ってたみたい。
やっぱりだめやん。

午後も手順通りネイティブチェックに出して、手順通りに締めて定時退社。
すべて手順通りです。手順を覚えるのが苦手です。
会社勤め、向いてない。

****

昨日の東京大衆歌謡楽団の演奏会、寝起きで寝癖つけたまま
鼻水垂らしながらささっと行ってきたので、感じたことをちょっとだけこそっと書く。

+構成が新しくなってた。新雪からのスタートが新鮮。
+テンポがゆっくり目。
+孝太郎さんの声が変わっていた。
 よく分からないけど、抜き方と鳴り方が違うのかな。
 すごく明るくてクリアな声。
 去年の秋ごろから歌い方が変わっててちょっと気になっていたのだけど
 この声を出すためだったのかなあ。
 声に濁りがなくて、とくに高音が澄んでいてとても綺麗だった。
 周りの方も、なんて綺麗な声!とおっしゃってたわ。
 バランスがぴたっと決まるのはいつ頃になるかしら。
 今年もなんだかんだ言って、その時を聴き逃さないようにしなくちゃ、
 と思う訳ですね。
+(大きな声では言えないけど)実は私はもう少しかぶり気味の
 奥で響いている声の方が好きなの。個人的な好みだけどねー。
+リバーブがちょっと強めだったのか、ホールの反響が良かったせいか
 はたまた私の耳が詰まっていたせいか、声の返りがわおんわおんと鳴っていた。
+楽器の音量バランスはいまひとつ。
+緑の地平線ってこんな歌だったっけ?私が知ってる緑の地平線とちがうー。
+孝太郎さんの顔の筋肉の使い方とか響いてる場所とか、
 顔ばっかり注目していたけど、そうそう、ブレスも見とかんとな
 と思ってお腹を注視していたら、息を吸った瞬間、横隔膜の下が
 ぱんっ、と膨らんだので、びっくりしたー。
 ブレスが出来なかったころは、かぶりつきでお腹周りばっかり見ていたけど
 全然分からなかったのに、昨日はかなり離れた席だったのに見えた。
 しかもスーツの上からでもはっきり分かるくらい、ばんと前に出てた。
 この歌い方は息を多めに使うんだろうか。支えが強めなんだろうか。
 聴いている分には息を大量に使っている印象はなくて、軽やかな感じなんだけど。 
 うーん、シロウトには分からない世界。
+って、何しに行ってるんだろう。勉強しに来てるんとちゃうわー!!!
 (と何度も思った去年でありました)
 でも、今年もやっぱり楽しみだなあ。

2019年1月20日日曜日

喉風邪ひいた

あー、喉がパンパン。鼻が止まらない。
すっかり風邪を引いてしまった。

でも金曜日はネイティブチェックに回す仕事があったので
一時間遅れで出社。体調が悪い時に限って仕事が重なるのね。
木曜日の夜には扁桃腺が腫れて、片側の耳が詰まったみたいになって
ずっと耳鳴りしていた。

金曜日には反対側の耳も詰まってきて、熱まで出たので、
薬を吞んでおとなしく寝ていることにした。
今日は友達と新年会する予定だったのに。ぶーぶー。
月曜日には別の仕事をネイティブチェックに回さないといけないし
絶対に休めない。週末のうちになんとか治さなくちゃ。

風邪薬を呑もうと買い置きを探してみたら、使用期限が切れていたわ。
前に喉が腫れたときに、近所のドラッグストアで相談したら
薬剤師さんが勧めてくれた、駆風解毒湯エキスという顆粒薬。
白湯に溶かしてうがいをしながら飲む薬で、結構効いた。
一日服用したらそこそこ収まってしまったので、放っておいたら使用期限が過ぎた。
こういう薬って知らない間に古くなっている。必要な時にはいつも使用期限切れ。
定期的に救急箱を確認した方がいいんだろうか。
普段は結構古いのでも平気で呑んでるので、二年くらいは大丈夫な気もするけど
「使用期限を過ぎた製品は服用しないで下さい」と書いてあるので
ちょっと不安になってしまった。

職場の人に、喉風邪をひいたときは喉に湿布薬を貼ると楽になると教えてもらった。
どんな湿布薬でもいいとのことなので、腰痛の湿布薬を喉にも貼ってみた。

腰痛用に病院でもらってきたもんなんだけど
肩こりにも神経痛にも筋肉痛にも使いまくってる。 
普段から首が凝った時にも貼ってるから、喉もちょっと位置が違う程度だし
駄目な気もするけど自己責任だし。

扁桃腺が腫れているので左右の首筋と、首の喉仏の上のあたりに貼った。
これ効くわ。腫れが少しましになって耳のつまりが収まった。
喉の中でも炎症には変わりないから、消炎剤が効果的ってことなんだろうか?
昔から、風邪をひいたときには首にネギを巻くと良いと言われているけど
それに近いものがあるんだろうか。

とりあえず熱は下がったし腫れも少し収まったからいいことにする。

2019年1月17日木曜日

何ということもなく不安

お正月明けてから、月末納期の仕事を早めに納品してしまったら仕事がなくなった。
ずーっと座ったまま、取説を読んで時間つぶした。
座りっぱなしなせいなのか、腰が痛いわ。

三連休は寝て過ごし、大なべにカレーを作ったので連日昼も夜もカレー。
カレーのおかげで太ってしまった。お腹がえらいことになってますよ。

喉風邪を引いて喉が腫れてる。声が全然抜けなくなってしまった。
おまけに耳も詰まってる。

午後からようやく仕事が来た。納期は来週。
金曜日にネイティブチェックに出して火曜提出。
量が少ないので余裕です。余裕あり過ぎ。てか今日もう訳し終えちゃった。
ここまで納期に余裕があると、ふと、
自分の仕事のやり方は間違っているんじゃないか?
なんか大事なことをやり忘れてるんじゃないか
と不安になって、もぞもぞしてしまう。
Tradosのメモリから用語は引っ張ってきたし、
すでに英文になっていて訳が必要ない箇所と文体は合わせたから
問題ないとは思うんだけど、やっぱり何か見落としている気がする。
今日中にネイティブチェックに出しても良かったのだけど
不安なので、明日は製品の取説を読んで用語チェックやってみる。
現場を見ない、文字だけの仕事って本当に不安。
だから取説をちゃんと読めってことなんだろうなあ。

お腹周りのお肉は重いし、仕事はこうだ!と言い切れなくてもぞもぞするし
声は出ないし、喉は痛いし、なんということもなく不安でもやもやする。
この心の重さはいったいなんだろうな。

不安といえばもうひとつ。
現場での翻訳ではなく、こういう文字だけで依頼を受ける翻訳の場合
原文通りに訳すのが原則で、曖昧な原文なら曖昧なように
冗長な言い回しでもそのまま訳す(訳注は付ける)。
過去にある会社のトライアルを受けたとき、原文が、それで、それでの繰返しで
そのまま訳すとくどいので一部省略したところ、そこを突っ込まれた。
接続詞を入れない方が英文として流れは良いけど、原文通り全部入れてくれ、と。

オンサイトで翻訳をする場合は、原文がだらだらと無駄に長い場合でも
技術者が読んで即座に意味が理解できる文章にしなければいけないので
くどくどしい箇所はさっくり省略していたし、またそのように指導されていた。

今の職場では、原文にある言葉は抜けがないように全部訳してくれ
とチェッカーさんから言われていたので、繰返しが多くて冗長だと思いながらも
抜けがないように訳したのだけど、その文章をネイティブチェックに出したら、
チェックした人がテクニカルライターだったようで
リダンダントなところが全部カットされて、簡潔明瞭な表現に修正されてた。

ネイティブがそうしているのだから、と結局修正された文章で仕上げ
ということになったのだけど、どっちにすれば正解なのか。
ネイティブによっては、文法の修正だけして内容に触れない人もいるし。

うーん。こういうところも、もにょもにょするなあ。
ケースバイケースで臨機応変にやれということなのかもしれないけど
自分ですっぱり、こうします、と決められないのがしんどい。

しんどいのでお風呂入って寝る。

2019年1月11日金曜日

ティッシュの箱を忘れた歌のレッスン

今日も朝から仕事がなくて、一日長かった。
お昼休みに近所の公園まで行って、「湯島の白梅」を練習した。
課題曲の「さくら貝の歌」を練習するべきなんだろうけど
すっかり「湯島の白梅」に嵌っちゃって。
これ、結構いいお稽古になるのよね。
低いところから始まって、高音に跳ねる音が多いし
その高音部は私が一番苦手な「イ」の母音だし
ここをキンキン言わさず幅広く柔らかく歌うためには
支えが肝心だと気付いたの。
きっちりお腹を膨らませて声を支えて、後ろを開いて
喰わず女房みたいに後ろの口を開いて響きを眉間に抜くと
キンキンしない。

低音も綺麗に出て絶好調、すっかりご機嫌で今日の歌のレッスン。

ああ、なれど~~~♪
なぜ夕方になると喉が腫れるのでしょうか。
レッスンが始まる前から、喉の粘膜が腫れているのが分かる。
発声練習したら、高音が喉に引っかかる。
高音で急に高いところに上げずに、最初の低い音から高い位置で歌うこと。
何度も何度も言われていることですね。
とにかく、低いところも高いところも同じ高い位置で歌う

「さくら貝の歌」、やっぱりこっちをもっとと練習しておくべきだった。
家で歌ってみた時には、出だしの低音が上手く出せて
喰わず女房になったら上が開くんだ、と分かったはずなのに
レッスンで歌ってみると、最初の低音がかすれてひっかかる。

先生に、歌いながらだんだんと息が上の方に上がっている、と注意される。
身体の中にパイプが通っているようなイメージで
息はパイプを通してすとんと下に落としたら、お腹の中に貯めておくこと。
上は開いて、息はお腹。上と下両方がないと駄目。

低音は「ア」の母音がひっかかってしまった。
声に喉がへばりついているような感じだ、と。
「ア」で大きく口を開けようとするから、それに喉がくっ付いてくる。
低音部では口を大きく開けなくていい。
ふわっと柔らかく、鼻腔の上あたりで歌うこと。

変調から戻る「ああ、なれど」の「な」は前の「ああ」と同じ「ア」で
口の形は同じなのに、「な」のNをはっきり発音しようとしてつっかかる。
ここは、頬の高い高いところを中から外にくりんとめくるように歌う。
「な」はNと「あ」を一緒に発音しない。まずNをハミングのように眉間で抜いて
そのあとに「ア」を付ける。ン~~~ア~~と歌って
ンとアの間隔を徐々に短くしていく。ンあれどー、という感じで歌うこと。

何度やっても低音が上手くいかない。
出だしは力を入れずに、息の流れに自然に声が乗るように。
歌わなくていいから息だけをふわっと眉間に抜くように、と言われる。
今日も「歌わない」歌のレッスンになるのか、と思ったとき
あ、分かった!!!ここだ、ここを上げれば声が出るんだ!と気付いた。
やっぱり後ろだ!喰わず女房!そして高音も低音も同じ位置で歌うこと。

「あ、ここですか」(と歌ってみる)
「その方がずっといいです。どうやったか自分で分かりましたか?」
「前じゃなくて、もう少し奥のところを上げると出しやすいです!」

もう一度やってみると、今度はつっかえずに声が出た!
正しい位置で歌えると、低音でも声がクリアで明るくなるそうな。
自分で一番いい声が出せたと思ったら、その感覚を身体に覚えさせること。

出だしを何度かやってみて低音が歌えたので、そのまま最後まで続ける。
ふー、よかった、響きが下がらない。
そうだ、前も後ろも開いて、顔の真ん中に出来た広い空間で歌うこと。
なんでこれをレッスンの時には忘れてしまっていたんだろう。
ちょうど、ティッシュの箱が顔の真ん中を貫通していて
その箱の幅で歌うような感じ。
レッスンを始めたばかりのころ、先生に何度も何度も
ティッシュの箱がこの辺に入っているような感じで、
と言われていたのに、まったく実行できてなかったのね。
自分でも教え甲斐のない出来の悪い生徒だと思うわ。

取り合えず低音の出し方は分かった。高音はとくに問題ないので
「さくら貝の歌」は今日で仕上げ。
結局、とっちらかったままに終わってしまった。
感情表現なんてこれっぽっちも考える余裕がなかったわ。
声がでなければ表現どころの話じゃないもん。
細かい表現は自分で考えて練習しなくちゃ。

時間があったので次の課題曲「初恋」を半分歌ってみる。
これも同じドから始まるけど、低音の出し方が分かったから上手くいった。

もう身体が感覚を覚えたから大丈夫ですね、と先生
(大丈夫じゃないですー、汗汗)
最初は開いていても、歌っているうちに疲れて空間がくしゃっと潰れるけど
練習をしているうちに慣れてくるから、と。
家で練習するときは、もし迷って変なところに嵌ってしまったら
そこですっぱりと練習を止めてください、と言われた。
そういう時は声を出さずに、上を開いて空間を開ける練習だけすればいいんですって。

忘れないように、ティッシュの箱を持って練習するよ。
喰わず女房で、前と後ろで、鼻セレブ、ね。

2019年1月9日水曜日

七草粥を食べ損ねる

7日から仕事始め。でも朝から人身事故で阪急が遅れてた。
朝6時半ごろにコンビニに行ったら、近くの阪急の踏切のそばに
救急車が止まっていたので、交通事故かな?と思っていたけど
あれが人身事故だったのね。うちのすぐ近くやん。
うちの近くはJRも阪急も人身事故がすごく多い。
京都線が人身事故で止まってるな、と思ったら大概うちの近所ですわ。
定期を買うために早めに家を出ていたのが幸いして
始業にはギリギリ間に合った。

職場でお歳暮に届いたという大山の地ビールもらった。
ペールエールという甘目のビールらしいけど
ビールは苦手なので良く分からない。
大山を見たのは一昨年の秋だったなあ。
あの島根公演の孝太郎さんは神がかっていたわーとしみじみ懐かしんだりして。
松江の遊覧船には、この冬もこたつが出してあるのかしら。
もう一度松江に行きたいなあ。

七草粥を食べる日だから、帰りに七草を買って帰ろうとスーパーに寄ったら
売り切れだった。ですよねー、夜だしねー。
って、毎年夜まで売ってるのに、今年はどうしたことだ。
以前にも、買えなかった年があったわ。
どこのスーパーに行っても売ってなくて、「売り切れです」の表示もなくて
売っていた痕跡さえない。七草なんて初めからなかったみたい。
おかしいなあ、今年は七草、中止になったのかな、と思っていたら
来ましたよ、唐土の鳥。その年は新型インフル騒動でえらいことになったんだ。

 七草なずな 唐土の鳥が
 日本の国へ 渡らぬ先に

今年も食べられなかったので、唐土の鳥、絶対飛んでくるわ。
今年のは何だろうね。

職場が寒くて寒くて、腰痛が酷くなってしまった。
今日は朝から腰が立たなくて午後から出社。
でもすることが無くて、ぼーっとしていた。

定時に職場を出て、とっとと帰ろうと思っていたら
桂で電車が止まったままなかなか出発しない。
こんどは淡路でポイント故障だと。
振替輸送するというアナウンスがあったけど、ここからJRは遠い。
そのうち動くだろうと電車の中で待っていたのだけど
一時間経ってもまだ動かない。
復旧のめどが立たないので振替輸送をご利用くださいという案内放送で
やれやれ、と立ち上がって改札まで行った。
駅員さんに訊ねると、一番近いJRの駅は桂川で、歩いて20分ほど。
そこまでのバスは出ているけど、バスは振替にならないので運賃自己負担だって。
200円チョイを節約するために、歩くことにした。

元気に歌いながら歩く。でも声が出ない。
新年になってから、怖いくらい声が出なくなった。
でも最近、「湯島の白梅」ばっかり歌ってる。
この歌、私にはキーが高すぎて高音部がかなりきつい。
喉の調子が悪いけど、頑張って歌うのだ。
いや、どうせなら「さくら貝の唄」を練習しろよー、と思うけど
「湯島の白梅」の二番の歌詞がすごく好きなのよ。

 忘れられようか 筒井筒
 岸の柳の 縁結び
 かたい契りを 義理ゆえに
 水に流すも江戸育ち
(作詞:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 唄:小畑実)

江戸っ子は情よりも義理が勝つのね。

この歌、一番高いところが私の苦手な「イ」の母音になっていて
無理に出しているせいもあってか、声がキンキンする。
ここをもう少し広げて柔らかく歌えたらいいのだけど。
前に抜いた方がいいのか、後ろに抜いた方がいいのか。
楽団のこの動画を見て練習してるの。
この頃の孝太郎さんの声は響きがいいし、
この動画では顔の筋肉の動きが分かりやすいから
ここらへんで響かせてるのかなあ、といろいろ参考にしてる。
「湯島の白梅」はこの動画のが一番好き。


歌っているうちに、桂川の駅前まで来た。
おお、イオンモールが出来ている。
このあたりには来たことがなくて、電車から見ていただけだったけど
以前は何もなかったところなのに、ずいぶん拓けているなあ。

ついでだからイオンモールで買い物することにした。
イオンってちょい高めね。ジャガイモを買おうかと思ったけど
近所のスーパーの方が安いので止めておいた。
買い物しているうちに、ものすごくお腹が空いて
あまりの空腹になぜか頭まで痛くなってきたので
カツ丼を買って、イートインコーナーで食べてしまった。
あー、夜にがっつり系のもの食っちまったよ。

桂川の駅からJRに乗った。振替輸送でラッシュ時のJRは
えらいことになっていたらしいけど、さすがに9時前になると空いていた。

家にたどり着くまで二時間以上かかった。遠い帰路でした。
でも桂川に行く機会ができて良かった、ということにしておこう。

2019年1月6日日曜日

りんごの木の下で

実のなる木が好き、姿が良いと思うから
と、昨日書いたけど、実を利用することにはあまり関心がない。
実家では毎年ジャムやらカートやら甘露煮やら梅干しやら作るし
妹は果実を使ったケーキを焼いてくれたりするけど
料理が全般的に苦手な私は食べる方専門。

姉が作ったフェイジョアのジャム。お土産に持たせてくれた。
実を潰さないように煮るのが難しいそうで
実の形を残すためには、フェイジョアの熟れるタイミングが大事なんだとか。
そのまま食べるとマスカットとりんごを足して二で割ったような味だけど
ジャムにするとアプリコットっぽい味になる。
実家では毎日ヨーグルトに入れて食べている。

このフェイジョアが好きな人がご近所には結構いて
実がなったら分けて欲しいと頼まれている。
父が好きなだけ持って行ってと言ったので、木を仕切っていた姉、激怒。
植えたのは父だけど、草引きやら剪定やらは姉がやっていて
実も姉の許可なく勝手に取ったら怒られる。フェイジョアの木は姉の木。

私はフェイジョアがそれほど好きではないのだけど、
実をつけている姿はやっぱり美しいと思って、もっぱら眺めるだけ。

高校二年の時、長野にスキー合宿に行った。
うちの高校は修学旅行として志賀高原でスキーをするのが恒例で
当時、近隣の高校はみんなそうだったと思う。
中には、スキーと善光寺参拝をセットにしている学校もあった。

その長野で生まれて初めて、りんごがなっているのを見た。
真っ赤な実をつけたりんごの木がずらっと並んでいる様は
本当に美しくて感動したわ。

 まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき
 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり

これは、島崎藤村の「初恋」という詩の一節。
小学生の頃、なぜか詩を暗唱するのがクラスで流行って
この「初恋」やら、北原白秋の「曼珠沙華」やら
カール・ブッセの「山のあなた」やら、覚えて友達と一緒に暗唱したわ。

なんで昭和のド田舎の小学生の間で詩の暗唱が流行ったのかはよく分からない。
多分、小難しい言葉を覚えたいお年頃だったのと
七五調のリズムが心地よかったからだと思うけど
「初恋」を暗唱するときに自分がまずイメージしたりんごの木というのは
梨狩り農園の梨の木だったのね。
なにせ、りんごの木なんて一度も見たことがないから
りんごっぽい木として思い浮かべたのが、大きく横に広がった枝に
実が袋を掛けられてぶら下がっている、梨の木。
実の形が似ているからこんなもんなんだろう、と適当に間に合わせておいた。

 やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは
 薄紅の秋の実に 人こひ初めしはじめなり

この一節では初恋相手の女の人が手を伸ばしてりんご、
というか袋が掛けられた20世紀梨をぶちっと引きちぎる姿を想像して
梨狩りでは鋏を使って母が取ってくれていたので
鋏なしでもげるなんて、力の強い女の人なんだなあと思っていた。

 林檎畑の樹の下に おのづからなる細道は
 誰が踏みそめしかたみぞと 問ひたまふこそこひしけれ

「おのずからなる細道」は田舎の子供には簡単にイメージできた。
果樹の足元は草がぼうぼうで、そこを何度も通っていると草を踏みしめた道が出来る。
その木の間を歩いている二人の姿が浮かぶ。
なんとなく、学生服の男性とかすりの着物を来た女性みたいな感じ。
ところが、ここで肝心の果樹がどうしても思い浮かばない。
梨狩り農園の梨の木の下には草なんて生えてないし
どんな木の間を歩いていたのかイメージできなかったので
とりあえず、ユスラウメとか桃とかの木が狭い間隔で植えられていて
その間をぬって人が歩いているところを想像したけど
そのユスラウメの木にりんごがなっているところは思い描けないので
脳内に浮かぶ絵では、この部分の果樹に実はついていなかった。

長野で初めてりんご畑を見た時は、なんて綺麗な木なんだろうと思った。
りんごの木は梨農園の梨の木よりもずっと背が低くて
りんごの実は、手を伸ばせばすぐに取れるくらいの高さについている。

この美しい木の下を歩く若い男女。
辺りにはきっと、ほのかな甘酸っぱい香りが漂っているのだろうな。
立ち止まって、真っ赤な実に手を伸ばす、白く細い手。

これは、詩だわ。

この詩の主人公は、大人になっても歳をとっても
いつまでもその白い手を覚えていたと思う。

去年5月の野崎詣りでの東京大衆歌謡楽団の演奏会、
一日目の演奏の終わったあと、孝太郎さんはいつものようにお客さんと話したり
写真撮影に応じたりする代わりに、アカペラで「りんごの木の下で」を歌ってくれた。

 リンゴの木の下で
 明日また会いましょう
 黄昏れ赤い夕日
 西に沈む頃に
 楽しくほほ寄せて
 恋をささやきましょう
 真っ赤に燃ゆる想い
 リンゴの実のように
 (作詞:Harry H. Williams, 作曲:Ebgert van Alstyne
      日本語歌詞:柏木みのる, 唄:ディック・ミネ)

まるで残っていたお客さんに語りかけるような歌。
陽は西に傾いて、あたりは黄色く染まっていた。
みんなの拍手に送られてステージから降り、
ひとり控え用の建物に向かう孝太郎さんの白いうなじを見た時、
この藤村の「初恋」が思い浮かんだ。

 やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは
 薄紅の秋の実に 人こひ初めしはじめなり

りんごを手渡した女性の手も、あんなに白かったんだろうか。

りんごの木で梨の木を思い浮かべていた子供の頃は、梨狩りと言えば鳥取。
連れていってもらったことがあるし、鳥取に行ったご近所さんからも
お土産に梨をよくもらっていた。
梨はひとつひとつ「二十世紀」と印刷された薄紙に包まれて
買い物籠みたいな形のプラスチックの籠に入れられていた。
あの薄緑色の籠は、モロゾフのプリンのガラス容器とともに
当時関西の家庭には必ずあるものだった、と、思う。

実家の納屋にツバメが巣を作っていた頃、巣から落ちた雛鳥が
その籠の目にはまり込んでぴーぴー鳴いていた。
ふわふわの小さい雛鳥。父がそっと拾い上げて巣に戻していたなあ。
記憶の中の納屋は、どこに何があったかなんて全然思い出せないくらい
ぼんやりとしたグレーなのに、棚の上に置かれていたあの梨の籠の緑だけは、
なぜかくっきりと浮かんでくる。

巣立って行ったあのヒナは、無事にシベリヤまで辿りつけたのだろうか。
あれはちょうど今頃だったかなあ、と思い出した夕暮れの野崎観音。

りんごと全然関係ないやん。
自分でもなんでツバメにたどり着いたか分からないけど
おばはんの回想とは大体において脈略がないものよ。

2019年1月5日土曜日

謹賀新年

と言っても、今年うちにお正月は来ませんでした。
年末に風邪を引いて寝込んでしまっていたので
年賀状も書けず、お正月用の若松も活けられなかった。
お正月が来なかったから今年は歳を取らないの。

31日の午後から実家に帰ったら、家族全員ぐったり、父だけやたら元気。
今年は田作りと黒豆とお雑煮だけでおせちを作る暇がなかったそうで
私も実家で出汁巻玉子だけ作った。

実家ではずーっと寝ていた。
寝すぎると腰が痛くなるので、ちょっと散歩に出た。

実家の畑の八朔。
姫路の叔母が自分ちの庭で取れた八朔を持ってきてくれて
それを食べて種と皮を畑のすみに放っていたら
芽が出て木になって木が大きくなって実がなった、そうだけど。
そんなに簡単に生えてくるもんなんだろうか。

こんな感じで実を付けてます。
実の成る木が大好き。実を付けている木の姿がとても良いと思うの。
これは金柑。甘露煮やジャムを作っても余る。金柑の木は二本あって
ちょっと実を持てあまし気味だけど、姿がいいから切らないでーと言ってある。
柑橘類の産地のものほどは甘くない。
柑橘類は他にミカンの木が3本あったけど、2本は枯れちゃって
残った1本には実が付いてた。今年のミカンは堅くてすっぱい。
他に花梨の木があったけど、大きくなりすぎて道路にはみ出したのと
実を持て余してしまったので、数年前に父が切っちゃった。
 
こっちはフェイジョアの木が二本。これも育ち過ぎだけど
この木は姉が仕切っていて、ジャムとか果実酒とか毎年作ってる。
昔は庭にキウイを植えていたのだけど、キウイはマタタビ科なので
野良ネコが集まってくるのと、蔓の剪定が大変なのでやっぱり父が切っちゃいました。

これは梅。二本あったけど手前の一本が枯れかかっていたのと
道路にはみ出ていたので切ったそうな。
お正月前になると、ご近所さんが活け花用に分けて欲しいとやって来る。
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿。どうぞ持って行ってねー。
梅が大好きなので、一本は絶対に残してと頼んでおいたけど
自分で手入れしているわけじゃないので、我儘は言えない。

この梅が咲いているところを一度も見たことがない。

畑を一回りしてから遊歩道を歩くことにした。
冬の日差しだわーと思いながら、田舎道をてくてくとコンビニまで行くことにする。
すぐ近所のコンビニ、デイリーヤマザキだけど、小さい食堂と一緒になっている
というより食堂の中にコンビニがあって、レジも同じ。
ご飯食べている人がいたり、量り売りのお惣菜が並べてあったりと
デイリーヤマザキらしいカオスっぷりで、なかなか便利だった。
なのに閉店しちゃった。跡地にローソンができるという噂だったのに
出来たのは工場ですよーっと。なんで幹線道路沿いの交差点の角地
という一等地に工場?と、ご近所みんながっかり。
田舎だから三世代同居の家が多くて、朝早く目が覚めるお年寄りは
早朝から家でごそごそしていたら息子家族を起してしまうから、と
お散歩に出てコンビニで集まってるんだよね。
田舎のファストフード店とコンビニは老人福祉事業みたいなもんよ。
だから工場もちっとは空気読め、敷地の一部にコンビニ作れ!
と、ご近所みんな思ってます。コンビニ遠くなって不便だわー。

遊歩道の両側は椿が多いのね。側のお家はチャドクガの被害を受けないんだろうか。

田舎の道で思い浮かぶのがこういう感じのとこ。
田んぼの端に水路があって、それに沿って木が植えてあって苔むしていて。
田んぼを横切って、こういう小道を通って友達の家に遊びに行ってた。

水仙が咲いてる。
水仙を見ると、春が近づいている!という感じがするなあ。まだ寒いけど。

そろそろ遊歩道も終わりですわ。
これはこぶしの木かしら。

遊歩道の終わり、というか逆側の入り口。
この高い木は杉かなあ。緑の時期を見たことがないから分からない。
年に一回か二回しか実家には帰らないけど、今年こそ梅の季節に帰ろう。

また放置、そしていつのまにか春

 歳月が流れるのは早いなあ。 ぼーっとしている間に一年が終わり、年が明けたと思ったらもう2月も終わり。 父が手術で入院したりとバタバタしていたので2月半ばまで実家でリモートワークした。 いやー、仕事になりませんわ。 18時まで仕事なのに、5時過ぎから母に「ごはん作るの手伝え...