2019年3月14日木曜日

テクニックを使うことが表現につながる

昨日は歌のレッスンだったのだけど、寝ちゃったので
忘れないうちにまとめておく。

***

この二週間、ひたすらひたすら「すなや」(C→C→A)ばかり練習したおかげで
やった、ついにすんなり歌えるようになった。
鼻腔のとこ、すっこんすっこんに開いてるわー。
CからAにあがるところも突っかからないわー。やったわ私!
普通の人はすんなり歌える、意識すらしない箇所なのに
何がそんなに駄目だったのかという感じだけど
出来るようになったのさ!
自分で考えて練習して出来るようになった。それが肝心。
人類にとっては小さな一歩だが、私にとっては大きな一歩だ。
月を目指す人は頑張ってくれ、私は地べたを見て歌う。

お昼休みも絶好調。この調子を夕方まで持たせるだけね。

***

肩凝りと首凝りでガチガチの身体を温めるために
梅田から福島の練習スタジオまで歩いた。
もうスタジオの周りを走り回りたい気分ですよ。

まず発声練習。
上も後ろも前も開いて、高い位置で、後ろに倒さない。
さすがにこれは学習した。まずまず上手くいったわ。

いよいよ課題曲「初恋」
最初はアで歌ってみることに。
出だしは花の香りをかぐように上を開いて縦に。
出た!出来た!掠れない。ここが掠れなければあとは普通に声がでる。
次、「初恋の」で高くなるところ、後ろを思い切り開いて
身体の後ろも膨らませて、でも声は後に引っ張らず、眉間のあたりに当てる。
「痛みを」の「み」は鼻腔の高い位置に引っ張り上げるように響かせる。
これもクリア!溜めも作れた。続く特別な「遠い」の「と」は
そのまま高い位置で柔らかく。最後まで柔らかくレガートで。

先生に「今日は声の響きがいいですね」と言われた。わーい!
掠れずに声が出たよ。

次はいよいよ歌詞をつけて歌ってみる。子音が入ると
口の開け方がもごもごしてしまうので、縦に開けることを意識する。
最初の「す」は子音を長く出し過ぎないように自然に。
次の「な」のNでステップを上がるように上に、
音が上がる「や」は軟口蓋をドーム型に上げて突っかからないように。
はい、出来ました!!!

高音部まで上手くいった!と思ったらそのあとの下がる
「遠く」で地声になってしまった。「思い」で後ろに引っ張り気味にして
裏声にもどす。「い」がちょっと平たくなったけどなんとか歌えた。

出だしの音が掠れる時と今日のように掠れない時
自分で違いは分かりますか?と訊ねられた。
うーん。言葉にするのは難しいけど、
鼻のあたりの肉とその下の骨の間に
広い空間が出来て、その空間を声が通っているような感じ。
ではその感覚を忘れないように覚えておいてください、と先生。

さらに言えば、口の中に大きなアヒルの卵が寝かされていて
その先端の細い方が鼻の後ろからくいーっと前に押しているような感じ。
ぐいぐい卵に押されるから空間が開く。
卵の中のヒナが、卵を割ろうとして中から押しているような。 

卵は世界である。
生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない
by ヘルマン・ヘッセ

なにが言いたいのかさっぱり分かりませんが
とにかく、ここが開くと、 フリ~~ダ~~~~ム!!!
な気分になれるのですわ。

地声に戻ったのは、そこだけ声の圧が強かったから。
あまり息を強くしすぎないように、ここは軽く歌うこと。
「思い」の「い」と「いずる日」の「ひ」は、
前の「も」「る」と口の形は同じままで、
舌を下の歯の後ろにつけるとだけでいい。

高音部「初恋の痛み」も、息は少な目。圧を強くしない。
ここで踏ん張り過ぎると、次の下がる「いずる日」も力が入るので
少ない息で軽く歌うこと。

もう一度注意されたところに気を付けて歌っていると
途中で声が掠れてきた。かすれるのは声帯が合ってないこともあるけど
口内が腫れて狭くなっているところに当たるから、と気付いた。
そこに声が当たらないように、軟口蓋を前倒し気味でくいっとあげて
声が通るスペースを広く開けると、なんとか掠れずに出た。

先生に、かさかさするところに入りそうだったのを
テクニックで上手く回避できましたね、と言われた。
テ、テクニックですか。とっさにやったことだけど、こんなのでいいのかな?
とにかく、瞬時に回避できたのでよかったことにしておこう。

では後半。

自由度の高い後半は、とにかく焦って早く歌おうとしない。
変調するのでいまひとつリズムが分からないのだけど
リズムやテンポは気にしなくてよい。この曲はゆったりとためを作った方がよい
とのこと。ゆっくり、自分のペースで、ブレスも余裕をもってやること。

最後の「いずるひ」で伸ばすところ。四拍めに入ったところで終わるのだけど
終わったあと、声は消えているのだけど息がはーっと下の方に下がっている。
ここは四拍めでお腹をすぐに緩めて音を切る。これは全部の終わりで同じ。
喉でぶちっと切るのではなく、歌い終わったらお腹を脱力。
これが結構難しい。四拍めに来てもまだお腹に息が残っているのね。
全体的に息を強くしすぎ、強く吸い過ぎなのかもしれない。

ブレスの時に吸う息をやや軽めにしてみた。
四拍めですぐ切ったら、安心して前のめりになって
「はっー」とため息のような息がでた。これか、この息が残ってたのか。
前にのめらないように。胸を開いてリラックス。

後半出だしの「初恋の」の「こ」で上がるときに急に上がらない。
段差をつけず、なめらかにレガートで自然に。
ここは息の吸い方に気を付けること。
目のあたりに大きな空間があるようなイメージで。
あ、鼻セレブ、忘れてた!
まず広い空間を確保して、高い位置で吸って同じ位置で吐く。
この時、息を吸ったらくるんと上に返すように吐きながら「はつこ」と歌う。
こうすると、同じ高い位置で滑らかに歌える。
「声も変わりましたね」と先生。

何もせずべたっと「初恋の」と歌うより、このテクニックを使って
上の方で柔らかく滑らかに歌うと、声自体が変わるし
意識しなくても、「初恋」という言葉に特別な意味を持たせたような印象になる。

感情表現を意識することが、発声を助けることもある
と、以前に説明してもらったことがあったけど、今度はその逆バージョン。
テクニックを駆使してなめらかに発声することで、自然と感情表現も出来る。
表現と発声は表裏一体のもの、というのはこういうことね。

出なかった音が出せるようになったので、この曲はこれで仕上げ。
次回もう一度歌ってみてから新しい課題に移ることに。
引き続き低音の練習をしたいので、次の課題曲は
高低差のある曲から選ぶことになった。

実は、この低いところだけで一杯一杯で
レガートも、ビブラートをどれくらい入れるのかも
まったく考える余裕がなかったし、息が安定してなくてふらついているのだけど
そこは自分でなんとかしなくちゃ。
最近は、息を一定の強さで吐き続けることが本当に難しい
と思うようになったので、このあたりが次の課題かもしれない。

とにかく、出来なかったことがひとつ出来るようになったので
すっかり明るい気分になって帰ってきたわ。

たとえばこんな感じ。ゆる~くて気持ちいい。フリーダムですわ。
写真撮影OK!な、大阪駅構内の「フェリシモ猫部」さんの店先。
猫部なのに、なぜかお腹だして寝転んでいるカワウソのぬいぐるみ。

積まれてますね。
猫部なのに、猫以外のうさぎやカワウソのグッズの方が可愛いという
謎多き店ですわ。

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