工事や整備点検、修理などの作業の際には
事故を防ぐための安全策を取らないといけないのですが
これは「労働安全衛生法」という法律で定められています。
これを実施するために制定されたのが「労働安全衛生規則」で
企業の安全対策の規程はこの規則に基づいて設定されています。
安全対策関連の書類を訳していると何度も出てくるのが
転落と墜落。
どっちもどこかから下へ落ちることを意味する言葉ですが
この言葉の違い、曖昧でした。
墜落の方が高いところから落ちるんだろうなあ、みたいな
獏としたイメージしか持っていなかったのですが
漢字が違うということは、意味が違うはずですよね。
何をもって「転落」とし、何をもって「墜落」とするのか
定義は企業により異なるそうなのですが
日本救急医学会は次のように定義しています。
身体が完全に宙に浮いた状態で落下することを「墜落」
階段や坂道などに接しながら落ちることを「転落」と呼ぶ。
これを英語でいうとどうなるのでしょうか。
日本法令外国語訳データベースの
安全衛生規則では、どちらもfall, fallingになっていますね。
このデータベースは公定訳ではなくあくまで参考資料なので
これが完全に正しいとは言えませんが
fallだと転落、墜落の「落」のニュアンスがでる言葉ということでしょうか。
辞書で墜落を見ると、crashがありますが
これは飛行機などの墜落に使われる言葉で
安全規則が対象とする作業中の墜落には当てはまりません。
転落の方は、roll off, roll downというのがあって
こっちは転がりながら落ちていく「転」のニュアンスが出ていますね。
紛らわしい言葉ではもうひとつ、「転倒」というのがあります。
転ぶことですけど、まあこれも紛らわしいこと。
こっちもfall, fall downでいいんですけど
上の日本法令外国語データベースでは overturnという言葉が使われています。
こっちの方が落ちているというより、ひっくり返っているとう感じがしますね。
つるっ、バタン、痛~い、みたいな。
「どんぶり返る」という言葉、自分では良く使います。
例えば椅子の背もたれに持たれてぐーっと反り返っていたら
そのまま後ろにバタンと倒れたりすることを表した言葉で
もしかしたら方言かもしれません。
overturnと聞くと、なんとなくこの「どんぶり返る」を思い浮かべてしまう。
随分前になりますが、フィギュアスケートの荒川静香さんが
トリノ五輪で金メダルを取ったとき、興奮してイナバウアーをやってしまい
ひっくり返った人がたくさん出たそうですが
私もその時椅子に座ったまま、イナバウアーを真似して
そのまま椅子ごと後ろに倒れて一回転してしまいました。
夜中に凄い音を立ててしまって恥ずかしかった。
この時の転び方がまさに「どんぶり返る」ですね。
この言葉が出て来たらoverturnと訳そう。
まだ出てきたことはないですが。
2017年12月14日木曜日
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