技術文書の翻訳を始めたばかりの頃、この言葉に遭遇して
ふざけてんのかーっ!と思いました。
「不具合の原因を究明するため、なぜなぜ分析を実施して」云々
大真面目な文章の中に、なぜなぜ、という柔らかい言葉が違和感ありまくり。
担当技術者に意味を訊ねると、この不具合が発生したのはなぜ?Aだ。
さらにAが発生した原因は?Bだ、とステップを踏んで真因にたどり着く作業だとか。
その企業様だけの社内用語かと思っていたら、
製造業では結構一般的な言葉だと知ってまたびっくり。
これをどう英訳すればいいのか。
当時はネットにも出ていなくて、探しまくった結果
Root cause analysis (RCA)という訳が見つかりました。
この言葉と「なぜなぜ」という言葉の語感が違うので
どうしようか、と他の翻訳者と相談した結果
もうこれでいいやん、ということにしたという。このいい加減さ。
そのまんま、why-why analysisという言葉で訳している翻訳者もいましたね。
ニュアンス的にはこちらのほうがふさわしい気もします。
今検索してみると、日本語でも英語でも
説明したサイトがいくらでも見つかりますし
Wikipediaにも出てます。それによると、トヨタが発祥のようで
whyを5回繰り返すことが奨励されており、そのため5Whys と呼ぶそうです。
今回ふとこの言葉を思い出して検索した結果
RCAとなぜなぜ分析はイコールではなく
なぜなぜ分析はRCAの手法のひとつだと分かりました。
あー、危ない危ない。改めて調べなかったら
ずっとRCAと訳するところだった。
ネットの情報というのは、日々大量に増えているので
昔は見つからなかった言葉も、今は割と簡単に見つかったりします。
知っているつもりになっていた用語も、たまには調べ直さないと駄目ね。
大昔、翻訳学校に通っていた頃は
翻訳の9割は調べものだと言われていて
実際、インターネットが普及する前は
調べものにものすごく時間を費やしていました。
論文の翻訳を初めてやった時には
ネット上に上げられている論文の数も少なく
調べものは図書館と本屋が頼りでしたが、
当時に比べたら今は本当に楽になりました。
その分速さが求められるのですが、
楽になればなるほど、手を抜いているなあと感じることもあります。
とくにネットに上がっている情報は、正しいとは限らないので
複数サイトを調べて比較することは、最低でもやる必要がありますね。
そういいつつ、ざくざく簡単にやってしまっている自分。
昔は高価な医学用語事典が買えなくて、毎日毎日本屋に通って立ち読みし
翻訳料が入ってからようやっとそれを買う、という
順番が違う!というようなこともやっていたというのに。
もうそんな情熱、ないない。だって元がとれないもん。
在宅より外で働くほうがいいわー。
2017年12月17日日曜日
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