土曜日から延々眠り続けて、日曜日に目が覚めたら夕方の6時を過ぎていた。
また週末に何もできなかった。
夢も見ずに寝ていたのがちょっともったいない気がした。
せっかく長い時間寝ていたのだから、愛と涙の感動巨編みたいな夢を見たかったわ。
などとぼんやりしていて、思い出した。
予知夢というのかな、夢で見たことが現実に起こるというやつ。
何かの拍子に、あれ、これ前に夢の中で見た、と思うことって結構あるよね。
これは、記憶の順番が入れ替わっているだけで、実際には起こったあとから
夢で見たという勘違いをするらしいのだけど、 そういうのとは違って
見た夢をよーく覚えていて、それと同じことが現実に起こる
というのを10年に一回くらい経験している。
災害の予言とか宝くじが当たるとか、そんな御大層なものではない。
夢の中で友達が突拍子もないことを言う夢を見て、
どうしてあの人があんなこと言う夢を見たんだろう?
現実には絶対に言いそうにない人なのに、と起きてから考えこんで
あんまり突拍子もない発言だったから、メモなんか取ったりして。
だからよく覚えていて、それが数か月後に現実になるような、そんな感じの夢。
そういう夢で今でもすごく印象に残っているのがひとつある。
もう20年くらい前の秋口だったかな。
夢の中で私は誰かと一緒に古い雑居ビルに入って行った。
そのビルは入り口のロビーなどはなくて、建物の右端に
昔の団地みたいに、いきなり外から続く階段があって
その各階の左側に飲食店が一軒づつあるような構造になっていた。
なぜか階段には人がいっぱい座っていて、私は3階のバーに行くつもりで
座っている人たちの合間を縫うように階段を上がりながら
もっと上だよ、と一緒にいる誰か(誰かは分からない)に声を掛けるんだけど
その誰かは、ここ?と言って二階にあるドアの前に立ち止まる。
そのドアの前には黒い服で長髪の男性が立っていて、
いらっしゃいませ、どうぞ、といいながらドアを開ける。
ドアの隙間から、LEDライトみたいな青い光が漏れてきて
連れの誰かはさっさとその中に入ってしまう。
そこで目が覚めたんだけど、ぼやっとしたグレーの夢の中で
そのドアから漏れている青い光だけがすごく鮮やかな色彩を帯びていて
起きてからしばらくは、ずいぶん青い夢をみたなあ、と思っていた。
そして、夢の中に出てきたビルは京都の三条と四条の間にあるビルで
確かそのビルの3階にあるバーに友達と入ったことがあるのを思い出した。
なんであのビルが夢のなかに出てきたんだろう?
一体私は夢の中で誰といたんだろう?と考えたけど思い出せない。
とにかく青い光がものすごく印象に残ったのと、実はその数年前に3階のバーで
バーテンダーさんもドン引きするくらいの激しい口論を友達とやらかしていたので
数日後にその友達と会ったときに、夢でそのバーに行こうとしたことを話したの。
今度もう一回行って見ようか、などと話したから、夢を見たのは間違いないのね。
その話はそこで終わって、私は夢のことなんかすっかり忘れていた。
それから次の年の1月ごろだったか、海外に住んでいる先輩から連絡があって
ご主人が京都に行くから案内してほしいと頼まれた。
頼まれるままにホテルの予約をし、当日京都駅でご主人と待ち合わせて
嵐山を案内し、その後夕食を一緒にということになった。
そこで二人で木屋町まで出かけたのだけど、ご主人が食事の前にちょっと飲まないか?
と言ったので、思い出したのがあの3階のバー。
京都でちょっと飲む場所って当時はそこしか思いつかなかったこともあって
三条と四条の間、「味ビル」という飲食店ビルの北側の路地を東に入り、
バーのある古いビルの前まで来た。
このビルの3階のバーに行きましょうと階段を上り始めたのだけど、
二階まで来たとき左側にあるドアの前に立っていた黒い服に長髪の男性が
私の後からついてくるご主人に「いらっしゃいませ、どうぞ」と声を掛けた。
するとご主人は「そこじゃないですよ、もっと上ですよ」という私の声を無視して
誘われるままにそのドアの中に入ってしまった。
私が慌てて階段を降りると、ドアの隙間から青い光が漏れていた。
そのとき、あっ、この光はどこかで見たことがある!と思った。
その店はカウンターとテーブル席が二組あるだけの小さなバーで
カウンターには男性と女性のバーテンダーとあの長髪の男性
それから、やたら愛想のいい若い店長はまだ25歳で
北新地でバーテンダーをやっていたそうな。まだ開店して二日目の店だった。
あの青い光は、カウンターの奥にある間接照明の灯りだった。
この青、そして全身黒づくめの長髪の男性。間違いない。あの夢に出てきた店だ。
その店でカウンター越しにバーテンダーの若い子たちと世間話をし
3階のバーのバーテンダーさんは何かの大会で優勝したすごく有名な方だ
という話を聞き、なんだかんだで二時間くらいはいた。
そのあと店を出て食事に行き、ご主人をホテルまで送ってから帰宅。
その後はその店に行くこともなかった。
それから10年ほどして、あの店はまだあるかな?とふと思い立って
探しに行ってみたけど、久しぶりの河原町通りはすっかり変わっていた。
「味ビル」も無くなっていて、どの通りを東に入ったか思い出せない。
このあたりかと思う路地の奥にそれらしい古いビルは見つかったけど
すっかり外観が変わっていて、あの青いバーはもうなかった。
たまにこの青い光の夢のことを思い出すと、考えるのは友達のこと。
3階のバーで大喧嘩した数日後には、何事もなかったようにけろっとまた会っていた、
何でも言えたあの友達は、数年前に宛先人不明で年賀状が戻って来た。
電話も解約されていて連絡が取れなくなり、いまどこで何をしているのか分からない。
私は日々の生活に追われて、探しに行くこともできない。
そもそも、気が向かなければ何ヶ月も連絡をしてこない人だったから
何も言わずに連絡を絶つということは、会いたくないということなんだろう。
でも、ある日突然「どうしてる?」と電話でもしてきてくれるんじゃないかと
ずっと待ってる。ずっとずっと待ってる。
2018年12月18日火曜日
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