あれだけ賑やかに鳴いていたのに、消えるときは一斉に消えるんだなあ。
本日は久し振りに歌のレッスンの日。大阪に行くのも久し振りですわ。
ラッシュ時なのに電車も駅も比較的空いているような。
まだテレワークしている企業が多いのかしら。
スタジオ近くの路地。
この「カモメ」というレトロなバーは前から気になっているのだけど
コロナのせいで吞みに行けない。ぷんぷん。
人が少ないのは平日だからなのか、時間が早いのか。
広いスタジオが取れなかったので狭いところでレッスン。
換気扇を回して、10分おきにドアを開けて、今回もマスクしてのレッスンですわ。
昨日エアコンを付けっぱなしで寝てしまったため、喉が乾燥してるわ。
発声練習では、高音になるほど上下の奥歯の間を大きく開けるようにと注意された。
こうやることで声に高さが出るんですって。
ドミソミドのスケール練習では、音程を上下に取らず横に流すように。
高い位置で、音程が上がると襖を開くように横に広げ
音程が下がると襖を閉めるようなイメージで。
これをやると高い音に無理やり当てなくなるし、低音の響きが下がらない。
課題曲「かやの木山」。今日の注意をメモメモ。
本日しょっぱなからの失敗は、前半のブレス。
出だしの「かやのきやまの かやのみは」と次の「いつかこぼれて ひろわれて」
どちらも真ん中でしなくちゃいけないブレスのタイミングが合わなくて
そのままひと息で歌ってしまい、最後に息が足りなくなってしまう。
「かやのきやまの」まで歌ったら、大量に息を吸い込むのではなく
次の二小節を歌うのに必要な分だけ自然に息が入るように、お腹の力を緩めること。
この緩めるというのが結構難しいんだよね。抜く前に思い切り吸ってしまう。
身体に柔軟性が無いのかなあ。
次、語るように歌う「やまがのおばさは~」から歌に切り替えるところ。
「そだたき」の小節がピアノで始っているのに、歌わなきゃと意識するせいか
大きくなってしまう。大きくしてしまうから、次の「しばたき」はメゾフォルテ、
さらに大きくしなきゃ!となって強く歌ってしまう。
そのため、次の「あかりつけ」の「あ」を高いポジションでキープできない。
楽譜ではピアノになっているけど、このピアノは「そだたき」の「そ」を
力任せにがっと前に出すのではなく、小さく柔らかく歌うと解釈してよい、
高音は自然に声が強めになるので、メゾフォルテは大きくしなきゃと意識しなくてよい。
この「そだたき しばたき」の二小節はメロディーがどことなく日本風だから
平坦に歌うのではなく、手拍子を打つような感じで抑揚をつけた方がいい、と先生。
この曲は同じ調子で平坦に歌ってしまうと、つまらない曲になってしまうから。
たしかに。落ちた木の実を囲炉裏であぶっているだけの歌だもんね。
最初から最後までべたーっと歌うと、「うん、それで?」と言いたくなっちゃう。
個人的に一番難しいのが、次の二小節。
「あかりつけ」の「あ」。
ここで急に音が下がるので、前の小節で力を入れ過ぎてしまうことと相まって
響きが下がって喉に張り付いてしまう。
ここは、はっきり言葉を発音しようとするのではなく
息の上に自然に言葉が乗ってふわっと出ていくような感じで。
息は額から斜めした方向。後ろに倒さない。
息の量が多いと掠れるので、歌うというより息を細く流すように
ちいさく「あ」とやってみると、それで綺麗に出ています、と。
自分が思うよりもずっと小さい声でいいのね。
「つーけ」と上がっていく部分、「つ」と「け」の間に何かが挟まって聴こえる。
自分でどうしているか分かりますか?と聞かれる。
「エ」母音を綺麗に発音したくて、舌の位置で一瞬まごつくのよね。
自分ではオンビートで発声しているつもりでも、さすがに先生の耳はごまかせないわ。
話し言葉の「エ」は口を横に引っ張るけど、歌うときの「エ」は口が縦。
今は舌が奥に引っ込んでいるから、「イ」と「エ」は舌を下の歯の後ろに付ける。
こうすることで、音が前の方でクリアに聞こえる。
もう「あかり」の「り」の時から前に付けていてよい。
「け」で4拍伸ばすところは、ディミヌエンドなので徐々に小さくしていく。
どのあたりから小さくしていけばいいのか結構難しくて、上手くいかない。
「エ」の発音でいっぱいいっぱいだわ。
小さい声で歌うのは一見簡単そうだけど、実は大きな声で歌うよりもずっと難しい。
繊細に歌うように心がけること。
この「もう ねようよ」の最後8拍伸ばすところ、歌の譜にはないけど
伴奏はディミヌエンドになっているので、歌も自然に小さくしていく。
最初の4拍は普通に伸ばして、次の4拍で徐々に小さくしていくと上手くいく。
「よ」がいい場所に入れば、その場所を維持して前に伸ばし
次の4拍で伸ばした声を戻すようにすると自然に小さくなる。
先生がやってみてくださったけど、いやいや、そんな簡単には出来ませんて。
伸ばしている間に声がふらふらする。のは、支えが足りないからだって。
お腹周りをしっかり横に張って支えること。
何度か練習して、最後に通して歌って今日で仕上げということになった。
表情をつけながら歌っているところが良いって。わーい。
声がかすれて低音が出にくかったけど、なんとか詰まらずに歌えた。
この曲は高低さがあって難しいけど、低音が前より出るようになりましたね、
練習しているうちに出し方が分かってきたみたいですね、と先生。
わーい。まだまだ喉に張り付くけど、張り付いたらこうしたら脱却できる
というのがなんとなく分かってきた。毎回上手く行くわけじゃないけど
上手く行くように頑張る。てか、始めから張り付かないようにしろよ。
***
帰り道にいろいろと興味深いお話を聞いた。
ベートーベンは器楽の作曲家であって歌曲の作曲家ではないから
第九の歌は最初から最後まで力が入りっぱなしになりがちなんだって。
特にソプラノとテノールは力が入りやすくなるとか。
合唱は周りの声で自分の声が聴こえないので、
初心者はどうしても全力で大声で歌ってしまいがちになる。
子供の頃は体力があるので、結構無理に声を出しても声が出る、
でもそれを続けていると、数年後に声が出なくなってしまうことがある。
歌がうまくて、習わなくてもどんな音でもするっと出せるような人も
そのまま勢いで歌っていると、喉を痛めて声が震えるようになる、と。
お年寄りの声が震えるのは年齢的に仕方ないけど、20代でそういうことが起こるって。
ひえー、怖い、って私はもう年寄りだから気にしなくていいか。
体調を崩した歌手が回復したあと、声に響きや奥行が無くなってしまった場合
元に戻るのかと質問したら、筋肉が落ちていることが原因の場合は
身体が覚えているから、体力が回復して筋肉が付けば元に戻るはず。
ただ、どう歌っていたか忘れてしまっている場合、
戻るにはかなり時間がかかるとのこと。
個人差があるので、数か月で戻る人もいれば数年かかる人もいる。
歌っているといい場所に入ることは普通にある。ただ、難しいのはそれを維持すること。
維持するためには訓練し続けないといけない、と。
時間はかかっても絶対に戻ると思いますよ、とおっしゃったので安心した。
***
今日は出かけるときにバタバタして、ボールペンを忘れるし
せっかく作った生姜入りのお茶も持って行くのを忘れたし
声はカサカサだったけど、有意義な一日だったわ。
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