2020年5月17日日曜日

昔の人の袖の香ぞする

今日は雨。結構寒かった。
まだ夜は毛布二枚かぶって寝ているし、昼間はフリースを着ているけど
外に出たら半そでで歩いている人もいる。
家でぐだぐだしているのに、衣替えが出来ていない。
でぶって着られなくなった昔の服を大量に捨てたいけど
廃品回収は月一度。ぼーっとしていたら出し忘れてしまう。
明日は朝から箪笥の中の整理をしよう。

昨日、お世話になっている呉服屋さんの営業担当の方から電話があった。
会社が人員整理することになり、退職されるそうな。
びっくりしたわ。呉服はそれでなくても売れていないのに、
コロナの影響でもっともっと厳しくなるかも。
この状態が続いたら、着物を着ておでかけなんて出来ないもん。
去年の祇園祭の時に買った大島と袋帯、3月のピアノコンサートに着ていこう
と思っていたのに中止になっちゃって、着る機会もないままに袷の季節が終わるわ。
秋には着てお出かけできるかな。
送りましたから、と言われていた展示会の案内が今日届いた。
「○○屋は活気のある賑やかな大阪が好きです」って。
なんかほろっときてしまった。私も賑やかでゆるーい大阪が好きだよ。
もともと大島紬の卸をやっていた店なので、大島紬の在庫を放出するって。
大島、安いのがあったら買いたい。でもお金ない。まだローンもある。
あー、宝くじ当たらないかな。そもそも買ってないから当たらないな。

午後に父から電話がかかってきた。
本日無事退院。点滴ですっかり元気になったのだけど
検査の結果、腸にポリープが見つかったとか。
以前にもポリープは取ったことがあって、その時の取り残しの分が大きくなったので
来月に取りましょうということになったって。
父はじっとしていられない人なので、実家で買い物に行くときは
自分が行く、とさっさと出かけてしまうので
母が、うろうろしないで、といつも怒っている。
私からも釘を刺しておいた。
もう政府からの10万円が入金されたって。
やっぱり田舎は人口が少ない分、こういうことは早いな。
うちはまだ申込書も来ていないよ。
10万円もらったら、年金の支払いしてPCを買い換えよう。

昨日、橘の香りで昔の恋人を思い出すという話を書いたけど
それでふと思い出した。
まだ20代の頃、ということはえっらい昔だけど、先輩から聞いた話。
先輩と、当時付き合っていたドイツ人の彼氏が
カフェのオープンテラスでお茶を飲んでいると
ウェイターの男性に「その香りはなんという香水ですか?」と聞かれた。
先輩は、その香水がクリスチャン・ディオールのプアゾンだと教えて
どうしてそんなことを聞くのかと訊ねると、その男性は
別れた彼女が付けていたのと同じ香りだと答えたそうな。
ふわりと漂ってきた香りが懐かしくて、つい声を掛けてしまったのだと。

この話を聞いて、まるで「花橘」の歌のようだとえらく感じ入ったわ。
プルースト現象なんて言葉もあるくらい、香りと記憶は結びついているものだけど
そのウェイターさんは、プアゾンの香りに何を思い出したんだろう。
彼女と過ごした楽しい日々がよみがえったのかなあ、などと考えて
ちょっとだけ切なくなってしまった。

先輩はその時の彼氏とは数年後に別れてしまい、別の人と結婚して
いまではお子さんもいらっしゃるパワフルな主婦だけど
この香水の話を思い出すたびに浮かぶのは、
いつも歌っていた、明るくて元気な先輩ではなく、
あるカフェで開かれたワインの樽開けパーティーの時の先輩の姿。
賑やかな音楽、大騒ぎの人の声、柔らかいオレンジ色の照明。
ワイングラスを手に、私はここであの人と初めて出会った、と
涙を流していた先輩の、泣き笑いの表情なの。

0 件のコメント:

コメントを投稿

また放置、そしていつのまにか春

 歳月が流れるのは早いなあ。 ぼーっとしている間に一年が終わり、年が明けたと思ったらもう2月も終わり。 父が手術で入院したりとバタバタしていたので2月半ばまで実家でリモートワークした。 いやー、仕事になりませんわ。 18時まで仕事なのに、5時過ぎから母に「ごはん作るの手伝え...