2020年5月18日月曜日

善意の日

公園の周りの花壇に植えてあるのか、勝手に生えているのか分からないけど
この花を見つけたときは、わあ、懐かしい!と声に出してしまった。

この花はうちの実家の庭や畑にも植えていたことがあって
今でも庭の隅に点々と咲いている。
うちだけでなく、どの家にも植えてある一般的な花で
子供の頃から馴染みのある花なのに、名前を知らなかった。
この度ようやく調べてみると、ムシトリナデシコというそうな。
別名コマチグサ。こっちの方が可愛くていいね。

「善意の日」というのがあってその日は花を学校に持って行った
ということを先日ちらっと書いたけど、そこに当然この花も含まれていた。
私だけでなく他の子も同じように持ってくるので、
善意の日の花束もこの花の量、多め。だからこの花を見て
そうだ、善意の日ってあったなあと思い出したの。

善意の日というのは、全国どこでもやっているのだと思っていたけど
Wikiによると、兵庫県だけの記念日だったのね。
1964年6月1日に

 みんなの小さな善行や善意が重なって、世の中が明るくなるものであり、
 県民だれもが、この日何か一つ善行をしてもらいたい(Wikipediaより)

との思いで制定されたのだとか。
いろんな市町村でチャリティーベントだとか公園の掃除だとか
様々な「善行」が行われているようですが、以前にも書いた通り
私が通っていた小学校では、日頃お世話になっている施設に
児童の代表がお花を届けていた。

その花束を作るために、全校児童が家から花を持ちよるのだけど
それが小山ほどの量。そして各施設には子供が両手でなんと抱えられるほどの
巨大な花束を二つづつ送っていた。

そうそう、「善意の日」の歌というのもあって、その歌の練習もしていたわ。
検索してみたら、ありましたよー。「こころの花ばたけ」という歌でした。
 
 わたしのあなたのむねのうち ひろげて咲かすはなばたけ
 ちいさいけれど世の中の おやくにたちそなたねまいて
 育ててのばしていきましょう

 お山のまつの木すぎの木の 葉づえに光るつゆのたま
 たまれば大きい川となる まごころしんせつおもいやり
 つもればあかるい国となる

 おういとよんだらむこうから おういとこだまへんじする
 世界の隅でひとしれず だれかのよろこぶことをする
 善意は花です みのりです
 (作詞:橋本竹茂 作曲:百瀬三郎)

6年間毎年歌っていたからか、メロディははっきり覚えている。
まだ歌えるよ。わたしの~あなたの~♪
「ひろげて咲かすはなばたけ」だからお花を贈ってたのか。なるほどねえ。

って、ちょっと待て!
田舎のことだから、どの家でも花は植えてたのよ。
毎日誰かが学校にも持ってきていたのよ。
明日お花を持ってきてください、と言われれば
小山が出来るほどの量がすぐに集まるのよ。
お花を贈る、素敵よね。でも贈る先の公共施設も同じド田舎にあって
働いている人も全員地元の人。つまり家に花なんか腐るほどあるのよ。
学校に子供が花を持って行けるのだから、当然その施設でも
職員が花を職場に持って行ってたはず。
そこにまた、丸抱えできるくらいのでっかい花束、
しかもどの家の庭や畑にも植わっているような珍しくもない花を
大量にもらったところで始末に困るやろ。

子供の時にはたんなる年中行事として、何の疑問も持たなかったけど
よくよく考えてみたら、これってめっちゃ迷惑やん。
被災地に千羽鶴を送るのに近いものがあるわ。
しかも花は生ものだから、活けないといけない。
多分、贈られた施設では花瓶を総動員して活けまくり、
余った分は職員の人が分けて家に持って帰っていたのだろうけど
その職員だって地元民。家の畑に同じような花が咲いとるっちゅーに。

何かしたい、贈りたいという欲求の押し付けと違うんかと。
善意の押し付けと違うんかと。いや、そもそもこれ、善意か?
これなら、道のゴミ拾いでもした方が有意義だと思うわ。

実際、贈られた側が迷惑なのかどうかは分からないけどね。
子供が来て「いつもありがとうございます」とお礼を言うことを
喜んでくれていたのかもしれないけどね。
まあ、私も実際に代表として持って行って、大人の人たちに拍手されて
華々しいような誇らしいような気持ちになったことは事実ですわ。
ああ、もしかしたら、子供に年一回そういう気持ちを味あわせるという
大人の側からの善意だったのかもしれないね。

今でもやっているのかな。
関係者が楽しんでいるのなら、別になんということもないけどね。
楽しいということは、良いことですわよ。
善意は花ですー、みのーりーでーすー♪

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