今日はさらに人の少ない時間帯に散歩しようと思って6時前に家を出た。
日が昇る時間が早くなったね。5時を過ぎたらもう周りは明るい。
さすがにこの時間は歩いている人がほとんどいない。
新聞配達の人や、夜勤帰りらしき人とたまにすれ違うくらい。
家からの坂道を下って、子供会の畑に差し掛かったとき
鮮やかな色に目を惹かれた。
これはあの「手抜きポピー」ナガミヒナゲシですよ。
実際はこれよりもずっとずっと濃くて鮮やかなオレンジだった。
びっくりした。普段目にするナガミヒナゲシは
もっと褪せたような薄いオレンジだから、こんな綺麗な色だとは知らなかった。
いやー、こんなに綺麗な子だったのか。手抜きなんて言って、正直すまんかった。
それで考えた。花の色、あ、女性の容貌のことではないですよ、
花が一番鮮やかな色になるのは、一日のいつごろなんだろうか、と考えたの。
今時は日中になると日差しが強すぎて、萎れかかっていることもあるし
日差しが強いと人間の目には色が痛すぎるように見えることもある。
もしかして花が一番美しい色を見せるのは、太陽が昇った直後で
まだ朝露の瑞々しさが残っている、今くらいの時間帯なんじゃないかと。
そして大部分の人は、その一番美しい花の姿を見逃しているのかも。
ひとのいない神社にお詣り。ついでにさつきも確認。
咲いたばかりの匂い立つようなさつき。ちなみに、香りはあまりしない。
さつきはすぐに花びらが萎れてくるので、この時間が美しいのかも。
昨日見た黄色のモッコウバラと色違い。
まだ冷たい朝の空気の中では、その清楚さが際立つね。
路地を通ったら古い家の軒下にこんな花が。
蔓が古い木材に這って、小さい薄紫の花がいっぱいついている。
なんとなく姿がいいわ。古家の軒下にふさわしい風情。
これは毎年近所のお宅の塀沿いに咲く、シラン。
実際はもっと濃い紫。良く見れば花はちゃんと蘭の形をしている。
これも、昼間より色鮮やかに見えたわ。昼間だと花がくたっとしてるのね。
歩道沿いの植え込みの低木も、白い花を咲かせていた。
ちっちゃいユリみたいな、ジャスミンみたいな形の花。
誰にも気づかれずひっそりと、こんなに可憐な花を咲かせていたのか。
気が付かなくてごめんよー。まあ花の方は
「あんたに見てもらうために咲いてるんとちゃうわ」
と言うだろうけど。
歩いている途中で足元を注意深く見ていると、野草も花をつけていて。
朝に美しい黄色。
これは以前に港に通勤していたときに、よく見ていた花だ。
うちの近所でも咲いていたのね。お久しぶり!
グランドの近くを通りかかったら、ラジオ体操の放送が始まった。
結構人が集まっている。2メートルどころか、グランドをフルに使って
5メートル以上の間隔で体操している。端っこでは太極拳をしているグループも。
こんなに早起きの人たちがいっぱいいるのか。
早朝に出会うと言えば、大きいゴミ袋と火ばさみを持って
散歩がてらゴミ拾いをしている人。
道路脇の植え込みに捨てられた、空き缶やたばこの吸い殻
コンビニの袋などを拾い集めている。
街や道路が綺麗なのは、こういう人たちのおかげなの。
私もやろうかなと思うけど、人によって大体ルートが決まっているようなので
邪魔してもいけないかしら。こういうのって迷うなあ。
子供会畑の矢車菊は紫と青のグラデーションが綺麗。
青いのもあった。実物はもっと濃い青。
この畑にはピンクの矢車菊はなくて、白、パープルグラデーション、青だけ。
どうしてこういうカラーチョイスになったんだろう。
子供会の小学生が植えるものにしては渋すぎるぞ。
矢車菊は、色も形も群生している姿もどことなくノスタルジック。
子供の頃は、畑に植えているお家が多かった。もちろんうちも。
昔は子供が学校に花を持って行く習慣があって、
各自の家で咲いた花を切って持って行って、教室に飾っていた。
田舎なもので、どの家も庭や畑にいろんな花を植えていたなあ。
「善意の日」というのがあって、4月終わりごろの花が咲く時期になると
小学校では各自が家からそういう花を持ち寄って、たくさんの花束を作り
それを、病院、郵便局、警察、消防署、役場、駅、福祉施設
そしてなぜか農協など、普段お世話になっているところに持って行ってた。
全校生徒から集められた花は凄い量で、校庭に花の小山が出来るくらいだった。
先生方がその小山からせっせせっせと花束を作り、
午後から生徒の代表が何組かに分かれて花を届ける。
私も6年生の時に、子供がなんとか抱えられるくらいの巨大な花束を
農協と警察に持って行ったよ。
家の近くには、裏庭をバラ園にしているお宅があって
この時期にはあらゆる種類の薔薇が咲き乱れていた。
当時、個人所有のバラ園としては近畿有数の規模だったらしい。
裏庭はフェンスで囲まれていて、裏庭に面した路地で遊ぶとき
時々、フェンスの間から手を突っ込んでバラのとげを取っていた。
トゲを鼻の頭にくっ付けて、ゴジラー、とかやって遊ぶの。
細い路地には色とりどりの薔薇の花びらが散らばっていた。
バラは梅雨に入る前に全部花を落とさないといけないそうで
そうやって切り落としたバラの花は、近所や学校に配られた。
バラ園が新聞で紹介されて、観光客が来るようになると
バラを勝手に切っていく不埒ものが出るようになったため
フェンスは取り除かれ替わりに塀が立てられたので
子供のゴジラごっこも終わり。それでも路地にバラの花びらは広がり
5月の終わりには花束のおすそ分けがあったなあ。
そのバラ園は、もうないの。もうないんだよね。
家が人手に渡って、今はある工場の寮になっている。
何年も何年もバラを大事に育てていたあの家族も住んでいないの。
実家を離れてからは一度もあそこには行っていない。
実家から歩いて10分ほどの距離なのに、帰省した時もあえて避けている。
家の姿が変わっているのを見るのが怖い。
バラ園が無くなったことを確認するのが怖い。
あの裏路地、土蔵とバラ園に挟まれた薄暗いあの路地は、
自分の思い出の中でずっとずっと、バラの花びらが散る場所であって欲しいの。
***
なんか花を見るとノスタルジーを刺激されるわ。
匂いが思い出と結びついていることも多いけど
花や植物は、もっといろんなものを引き出してくるね。
多分、世界がどうなろうと、人間が見ていようといまいと関係なく
粛々と自分の営みを繰り返しているからなあ。
2020年4月28日火曜日
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