2020年4月30日木曜日

花の咲く庭

夕べは頭が痛くて痛くてクラクラした。
毎年この季節になると体調が悪くて蕁麻疹が出たり、
持病の気管支炎で一ヶ月以上咳が止まらなくなったり、
微熱が出たり下がったりを繰り返すのが恒例だけど
今の時期はちょっとの体調不良でもやっぱり心配。

首から肩もパンパンになっているので、お風呂に入って湿布薬を貼って
早く寝ようと思っていたら、知人から電話。朝まで話し込んでしまった。
気づいたら頭痛がすっかり消え去って気分もすっきり。
整形でもらった湿布薬、効くわー。

肩こりが原因の筋緊張性頭痛も持病のひとつ。
初めてこの頭痛が起きたときは、その原因が分からなくて
ありとあらゆる病院を梯子したあげく、かかりつけの胃腸科で
「首から肩が石みたいにガチガチですね。原因はこれです」と言われて
思わず、はあ?肩こりですか?と聞き直してしまった。
それまで肩こりというのを経験したことがなかったので
肩がこるというのはどういうことなのか知らなかったの。
肩こりは本当に怖い。凝り過ぎると首が曲がらない、腕が上がらない、
息苦しい、声が出にくい、頭痛、胃痛、吐き気に発熱までしますわ。
その時の肩こりの原因はストレスでした。鬱だったし。
「小難しいこと考えんと、ぼーっと暮らしなさい」という
先生のアドバイスに従って、ぼやーっとお気楽に生きているの。

そんなわけで電話のあと、朝食にキャベツと蒸し鶏のサラダを作った。
おいしー!キャベツ本当においしい。身体の中が綺麗になるような気がする。
蒸し鶏はレンチンしたあと、肉汁ごと容器に入れたまま冷蔵庫で寝かしたら
味がしっかり染みていた。グラム68円の鶏むね肉、使えるわあ。
お腹もくちくなったので、腰回し体操やって、スクワットやって発声練習して
爽やかな充実感とともに気持ち良く朝寝して、目が覚めたら夜だった。
だめやん。ほんとうにだめやん。

昨日の朝のお散歩の時の花。
古いお家が並んでいる住宅街がお散歩コースなのだけど
こういう黒い杉の焼き板を貼った壁を見ると、懐かしい感じがする。
うちの田舎でも、この焼き板が定番なの。
このお散歩コースの住宅街は実家の近所とどことなく雰囲気が似ている。
道の両側に塀で囲んだ家が立ち並んでいて、前栽のある庭と
隣の家の土蔵との間に抜け道のような路地があって。
昔ながらの街道筋というのは、どこも似たような感じなのかな。

可愛い野花。
病院の横の八重桜。花の姿のまま点々と散っていた。
道端にアザミ発見。咲くのはいつかな。
公園の生垣に咲いた白い花。
何の木か知らないけど、よく生垣に使われているので
花が咲くなんて意識したこともなかった。
こういう葉っぱメインの低木はついつい花を見逃してしまうね。

河津桜の実が赤くなった。
食べられるのかな?人間が食べる前に鳥が食べてしまうだろうけど。

夜、友達からメールが来た。
山の中の古い一軒家を買って、自分でせっせとリフォーム中。
本当は手伝いに行って、お庭も見せてもらう予定だったけど
緊急事態宣言が出ているので、今は大阪から出られない。
本当に残念だと返信すると、今は荒れ果ててしまっているけど、と、
その家の庭の写真を送ってくれた。

古い日本家屋で、敷地も広いし家も広い。何よりも庭が気に入った
と言っていたけど、その写真を見て「なるほどこれは衝動買いするわ」と納得。
ちょっと鄙びた感じにしつらえたすごく素敵なお庭。
木の歪んだ形をそのまま生かした門の脇に茂るシダ、
築山に向かう置き石に沿って植えられたさつき。
元の持ち主はお金も年月もかけて作ってきたんだろうなあ。
友達は庭が気に入っているから、大きく変える気はないみたいだし
庭が残ることは元の持ち主も喜んでくれるんじゃないかしら。

散歩のときに花の咲き乱れる売家の側を通るたび、
切ないような泣きたいような、胸が締め付けられるような気持ちになる。
お庭を大切に育てた人がその庭を二度と見ることなく去ってしまって、
それでも花はあるじに関係なく咲いて。
そこが空家になったままだったら、いつか朽ち果て、
家も、大切にしていた庭も、蔦と葛に覆われてしまう。
人手に渡ったとしても、新しい持ち主が、その庭も庭に込めた前の持ち主の気持ちも、
まとめて更地にしてしまうかもしれない。

万物流転とは美しくも残酷だなあ。
多分、跡継ぎがいないうちの実家もいづれは空家になって
何代も前から植えられているこぶしの木も、ヤマモモの木も、
いちども咲いているところを見たことがない白梅の木も、
いつかすべてが消えて無くなるんだなあ。

時代は変わるし、家も興ったり没落したりするもので、
それでも人がいれば、どこかでその家族の血も歴史も続いて行く。
うちの場合は、姉にも妹にも子供がいないから
自分や親だけでなく、400年分のご先祖様を全部まとめて
無縁仏にしてしまうんだよなあ。

と、いつまでも物思いにふけっていられない。
私たちが死んだあと実家をどうするよ。
値段の付かないような田舎の家なんて相続しても親戚は困るから
檀那寺に寄進するか、角地で場所はそこそこいいし、
町内会に寄付して集会場にでもしてもらうかな。
早めに姉や妹と話し合っておかなくちゃ。
遺言状って公正役場に行かなきゃいけないんだったっけ?
墓じまいもしないと。費用はいくらくらいかかるんだろう、
とか、もう考えていると頭が痛くなる。

現実って残酷ね。

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